Middle phase

           

【和平会談〜双頭の蛇〜】


王国は北部での敗戦と宰相の死の報に混乱の最中にあった。城下の人々はその噂に怯え、迫り来るアドホックレルの軍勢の影に怯えていた。
「都でも戦となるの!?」
「俺は祖国防衛の為に戦うぞ!!」
「騎士団は何をやってるんだ!?」



イヴァン:「この国に帰って来たのは久しぶりだな。」

GM:イヴァンがスターシャの取り巻きの数人の兵の中の一人として、懐かしい王城の門をくぐった。王宮の景色だけは以前と変わらぬ様子で君を出迎えた。


イヴァン:俺が国に来たのは15の時だった。あの頃は傭兵と変わりない心境で、愛国心もカケラもなかった。

GM:相当前の頃だね。

イヴァン:そしてサラミスとエルフィーナと出会い、そして奪い合い…そして今王国が滅びそうになっているのか。

GM:男って馬鹿よね…


王宮では衛騎士。そして兵士の列が出迎える。
重臣達が居並ぶ謁見の間に、レルムの使者として訪れた特使スターシャは、スクロールを手に歩を進めた。



GM:重臣達の顔ぶれも随分替わっている。サラミスが遠ざけた人々、そして新たに集めたイエスマン。

イヴァン:顔ぶれを見ておこう。そして国王の隣に今は誰が立っているのかをな。

GM:国王の隣にはレトワール姫。君に依然名乗ったときはジェミニと言っていたが、今では姫としての服装をしていることからも少女であることがわかる。

イヴァン:なるほど。重臣は?

GM:重臣には大した顔ぶれはいないよ。謀反しそうなヤツ・政権転覆しそうなヤツは全てサラミスが粛清したしていたからね。

イヴァン:怖い(笑)

GM:スターシャは読み上げる。


「この戦はいわばサラミス殿の私闘であり、元々は我々侵略する意図はなかったと心得ています。また我々にも王国を滅ぼすという意図はありません。サラミスが居なくなった後、矛を下ろし民を安んじるのが賢明な御判断かと思われます。」




その停戦の言葉に重臣達も安堵の呟きが漏れる。
「うむ。言われてみればサラミス殿にはやりすぎのきらいがあった。」
「しかり、王はこの戦いを望んでいなかった。」



GM:スターシャの内心のほくそ笑みはいかばかりか。この雰囲気は前もって反サラミスの名士と連絡を取り合っていたからのものなのである。
イヴァン:汚いわけではない。これも外交。戦略だ。


「うむう」王座に座るソレイユ国王は既に12歳になっていた。その和平の提案には、いまだ言葉を返さない。


GM:スターシャも一拍置きスクロールを差し出す。「サラミス殿自身もこのようなものを残されております。」ドヨドヨドヨ……

イヴァン:事実だ。

GM:国王は震える手でそれを受け取る。国王の傍らに座る姫レトワールはガタンと席を立つ。「和解の条件は……」とスターシャはとうとうと延べ、王は「暫く重臣と協議する」と返答を返す。




イヴァン:当然だ。国家の命運に関わることは、すぐには決められることではない。

GM:「ようございます。」とスターシャは言うと奏上文のスクロールを纏めて差し出す。「我々も兵を早く故郷に返してやりたいもので」

イヴァン:そして交渉には多少の威圧も必要だ。


GM:用意された宿舎では彼女が伴った文官と調整が行われている。「畳みかけなくて良かったのですか」「状況が分かっていないようではないですが…」「長く付き合っていく為には納得していただくことも肝要かと」などと会話をしていく。

イヴァン:俺も同感だ。

GM:彼女は通された迎賓館で、明日のプレゼンの準備をしていく。

イヴァン:俺の警備の兵士として暇な時間を過ごしながら、妨害を警戒してよう。イシュカにも連絡だ。(「現状はこんな感じだ。」)

GM:(「了解。随分と詳しいな。なんでだ。」)

イヴァン:(「秘密だ。」)


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