Climax phase
【魔境の主】
その場に入ると突然の冷気が立ち込める。
大木であった。一際巨大な大木がそびえている場所に出る。地面から突き出ているツララ。そしてその幹の身元には、水晶のような巨大な氷柱を背から突き出した獣が蹲っている。
GM:ぐるるると唸り声がする。
イヴァン:「見てるな」と槍を構えよう。
GM:「見よ、フラガッハがわかるか」と彼女が大声を張り上げるが、獣は唸り声と敵意で返すばかり。
イヴァン:「どうやら駄目らしいな。」
GM:「そのようだ。」獣は突如ここで咆哮を揚げると、ここの変異律が発動する。まるでここに入ってきた時と同様の瘴気だ。『病魔の庭』という効果でターンエンド時で8ダイスのダメージを受ける。しかもダメージを受けるとさらに20点ダメージが増える。これが『水晶の尖塔』という効果だ。これは同時にこの獣を蝕んでいる病でもある。
イヴァン:ターンエンド時にはダメージを受けるというものか。
1ターン目
魔獣 行動値15
イヴァン 行動値6
GM:魔物は襲い掛かってくる。ターゲットは正面から向き合うイヴァンだ。跳躍して襲い掛かる。命中は(コロコロ)30
イヴァン:回避(コロコロ)14。回避は失敗だ。
GM:(コロコロ)ダメージは105点。
イヴァン:ガードだが、雀の涙<光盾の印>でガードを上げる。<庇護の印>を使うとさらに6点固くなる。17点食らう。
GM:体に走ったカギ爪の跡が忽ち凍結して体を焼く。20点さらにダメージ。
イヴァン:次は俺の番だ。命中(コロコロ)30
GM:それは当たってしまうね。
イヴァン:ダメージ144点。飛び掛ってきた一瞬の間に、俺の槍の穂先も相手に刺さっていたようだな。
GM:わかっていたが、大したダメージだ。116点通った。
GM:そこにフラガッハが攻撃していく。フラガッハは大剣を振り下ろし魔物は血飛沫を上げる。この動きを見るからに、彼女もやはり人間離れした膂力の持ち主と見える。104点ぐらいのダメージで斬り込んでいる。
イヴァン:なるほどな。魔物の地が流れているというのも嘘ではないようだ。
GM:ターンエンド時にさらに毒による体内ダメージが8d+20入る。
イヴァン:ダメージは40。ただし俺は体内を魔法使いの魔法で強化している。10点減点して30。地味にキツイな。早期に終わらせないと……
2ターン目
魔獣 行動値15
イヴァン 行動値6
GM:この時ジェミニが回復のスキルを使う。<救難の印>だ。(コロコロ)37点回復だ。
イヴァン:毒のほうはこれで大丈夫だろう。問題はこの後の魔物……。
GM:魔物は怯む様子は無い。今度はフラガッハの部隊に対して攻撃。
イヴァン:いや、それは<庇護の印>で俺が食らおう。
GM:では、襲い掛かるカギ爪の前に立ちはだかる。(コロコロ)ダメージは98点。
イヴァン:ガードに<光盾の印>18点食らう。それに+20。これで38点だ。さっきのターン36食らってるから74点か……そろそろ仕留めないとな。
イヴァン:命中(コロコロ)28。魔物は命中回避がたいしたことがなくて助かる。
GM:26なんだけどね。回避失敗。それは当たってしまうね。
イヴァン:ダメージ143点。槍を胴に突き立てる。
GM:胸板が厚い。並の魔物なら絶命していただろうが、まだ死なない。115点通った。
フラガッハとその戦士達の攻撃も魔物には命中。彼女の大振りの一撃が魔物の肩口に当たると、魔物は大木に叩きつけられる。
GM:ダメージは102点。
イヴァン:これから毒だろ。
GM:そうエンド時に、毒のダメージが追加分を足して48点。
イヴァン:体内を10点防いで38点。累積112だから、あと6点か……今のは危なかったな……
3ターン目
魔獣 行動値15
イヴァン 行動値6
GM:そしてさらにそこに魔物の攻撃だ。命中は(コロコロ)39
イヴァン:どんどん目標があがっていくな。(コロコロ)12。回避失敗。ガードに専念……
GM:ダメージは95点。
イヴァン:ガードに<光盾の印>。15点貫通してしまうところ、身代わりの高位魔石を使い、ダメージを6d減少。20点。これでダメージは通らない。ダメージを受けていないので、+20点は受けない、だね?
GM:ああ、そうだね。
イヴァン:薄氷だ。
イヴァン:ではこっちの攻撃だ。もうこの攻撃で倒せなければ終わりだ。命中(コロコロ)28
GM:こちらも6ゾロでも出さないと……(コロコロ)惜しかったけど駄目だ。
イヴァン:ダメージ145点。槍を投げつける!
GM:その攻撃で決着だ。
槍に貫かれると魔物は木々に差し止められ、もはや動くこともままならない。しかしどういうことだろう。もう絶命してもおかしくない深手だというのに、この魔物はなおももがいている。
イヴァン:これは…さすがにおかしい???。「どういうことだ?」
GM:永遠郷という魔境効果がついている。ここでは死ぬことが無いのだ。長寿の魔物ではあるのだが、病に合っても死ぬことが出来ずこのような姿に成り果てたようだ。
イヴァン:死ねぬ呪い…とでもいうべきか。このタフネスも頷ける。
GM:「哀れな」呟きとともに、フラガッハは剣を担ぎ上げる。
イヴァン:「だが、どうする?」これでは止めはさせないぞ。
GM:ここでジェミニが使うのが混沌発散という力だ。魔境の変異率を一つだけ消すことが出来る。「どうします?『永遠郷』を消すことも、『病魔の理』を消すこともできます。」
イヴァン:「どちらか一つか?」
GM:「はい」とジェミニが答える。
イヴァン:「フラガッハ。好きにしろ。」
GM:フラガッハは暫く黙っていたが「『永遠郷』だ。」と答える。そこには逡巡は見られない。力がかき消され、その抵抗が苦悶のものに変わる頃、フラガッハは剣を担ぎ上げ、振り下ろす。
吹雪が不意に荒れ狂い、一同の間を駆け抜けて、そして音も無く消えていく。
イヴァン:「……ヤツは。なんだったのだろうな?(真顔)」
爆笑!
場違いなイヴァンの呟きにその場の人々から笑みがこぼれる。
GM:「さあな。だが、あの魔物は、謳われるだけのことはある。」
イヴァン:「同感だ。手ごわいヤツだった。」
GM:「お前もだ。部隊も連れず、鎧もつけず、あれを倒すのだろうからな。」フラガッハは笑み混じりに驚いたように顔を覗き込む。「いつもそうか?」
イヴァン:「いつもは部隊をつれて、鎧をつけているんだがな(笑)」下手すれば英雄どころかただの間抜けだった。
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