その地に住まうものは多くのものと戦ってきた。
混沌とした酷薄な大地では、その凍土が、大地が。
混沌と魔境、多くの魔物が生存を危ぶみ、そして戦うことを運命付けていた。
やがてこの地に王国が生まれ、人は領地を切り開いた。
戦うことを運命付けられた、その混沌の申し子達は『人』と呼ばれた。
これは寒冷なる北の大地の王国の物語。




GM:では今回のハンドアウトを発表します。
酷寒の大地を切り開いた王の片腕たる英雄も、王の死とともに失墜が訪れようとしていた。
『狩り終わりて、走狗煮られる』の例えが真であるのならば、彼に待ち受ける運命は暗いものであろう。
しかし、彼が戦うことを義務付けられた混沌の申し子であるのならば、その運命さえも食い破ることだろう。

GM:今回は開始6レベルからで、初めから辺境伯の地位をもっているキャラクターで開始してもらいます。

レサ夫:はい。ずっとグランクレストで自分の為に戦う英雄をやりたかったんだよね。主君に仕えるとかもありなんだけど、独立しちゃってもいいんだよね。

GM:いいと思う。そういう要望を受けていた。

レサ夫:自分の場合は、元々国王に厚遇された戦士で、その義理人情から国王に仕えていたけれど、新しい王の代に冷遇されて、義理が切れてしまう感じでいきます。勿論王国には思い出はあるし、自分から敵対したりはしないけど、道を違えたら叛旗を翻していく、みたいな奴を考えています。

GM:いいと思う。今回は君はその王国の国王と共に戦った属領の勇者。元々は蛮族と下げずまれていた部族だったが、数々の戦功で、今では辺境伯にまで上り詰めている。

レサ夫:そんな感じか。

GM:そして今回の冒頭はその彼が干されていき

レサ夫:はええよ!

爆笑!

GM:干されていき、窓際に追いやられ、ミカン箱が置かれ。

レサ夫:かつての俺の席に同僚が座っているってのか?

GM:そう、その同僚、いや上司が言う。「気味にこんな不本意な仕事をさせるのは心苦しい。君の為、君の為なんだ。」

レサ夫:おいなんか含みあるな!(笑)


GM:じゃ次はキャラクターの発表お願いします。

レサ夫(以後イヴァン):名前はイヴァン。ロシア式な名前ではイワンね。



GM:ロシアの雷帝だよね。

イヴァン:あやかりました。下の名前はありません。

GM:いいと思う。属領や出身地の名前になるんだと思うよ。

イヴァン:カラシニコフだの、アレクサンドルだのすると、そのままロシア人になってしまうような気がするんで、そこは違う。もっとケルト人的な。暴力に満ちている。

GM:「オレはお前が殴りたくなってきた!」みたいな人ですか?

イヴァン:偏見に満ちている。

爆笑!

イヴァン:出自は『略奪』。もうそういうのが普通の生活だった。奪い合いは当然。自分の母親も戦に負けて誰かの妻になって、みたいな経緯だから、もう両親とかも定かではない。

GM:チンギスハン前のモンゴルみたいな。

イヴァン:うん。経験1は『泥沼』。愛憎の泥沼みたいな伝説はもうケルトの伝説を見ればことかかない。ディルムットとかクーフーリンとか、読者の方が詳しいと思う。そんなわけで武器は槍。ケルトの戦士ならもう槍しかない!

GM:剣は?

イヴァン:ケルトの王様は剣を象徴的に持つみたいだけど、戦の武器は槍かな。武器にも順列があるみたいだけど。

GM:チェスみたいだね。中世的には、槍は歩兵の武器としてはよく使われていたよね。

イヴァン:クーフーリンにあやかって槍の地位が高いことを祈る。


イヴァン:経験2が『暴君』。この文明社会の人間にとって、この野蛮人が君主になれば暴君でしかない、みたいな感じになるのかな?

GM:「もし、この人が上司だったら、暴君」みたいな。

イヴァン:そうそう(苦笑)


イヴァン:信念はオリジナル『仁義』。何故これが無い?と聞きたくなるような戦国時代の非常にフォーマルな信念。

GM:仁義。中国の春秋戦国時代なら、普通にあるのにね。何か似たようなものがあるのかもしれない。

イヴァン:ないんだよー。

GM:どれどれ、『忠誠』…忠義?。違うね。騎士道とか忠誠になってしまうねー。

イヴァン:違う違う。忠義っていうのは明確な上下関係の間で発生するものなんだけど、仁義には身分の差はない。

GM:オヤブン。

イヴァン:王様であれ、市民であれ、義理人情が起きるのが仁義。


イヴァン:禁忌は『無賃』

GM:普通は信念『仁義』だったら、無賃でも仕事するのに珍しい。

イヴァン:貰った義理に、義理を返すのが仁義なんで。

GM:ここでいう無賃は金じゃないんだね。恩とか義理も入るんだ。「有難うございます。領主様」とか「感謝します」とか。

イヴァン:そんなもんダメだ。相応のものを要求してる。無料奉仕はしない。


イヴァン:癖『名士に礼儀を払う』これもオリジナル。

GM:普通、仁義・任侠の人は、権力者にも対等なんだけどね。

イヴァン:偉い人は普通はある程度仁義を通している。そういう人には「おひかえなすって」する。

GM:これもってるから、王国に仕えられる。権力に従うんだなと誤解される。


イヴァン:クラスはロード。スタイルはパラディン。

GM:ケルトの戦士だとセイバーかマローダーがほとんどだと思うけどね。

イヴァン:ぶっちゃけパラディンやったことが無かったからパラディンという単純な発想の部分もある。

GM:……弱いよ。パラディン(パラディン経験者)。

イヴァン:その醜聞を今回で終わらせるために。


爆笑!

イヴァン:いやぁ、国を作っていくとしたら、最終的にはパラディンだろう。

GM:くっ、言いますね(笑)

イヴァン:奪い奪われる社会で生きてきた自分だけど、それは別に社会の理想形じゃない。この生活をしていれば、理想は保護や防衛にたどり着く。

GM:なるほど。

イヴァン:言い訳しました。今思いついただけ(笑)

爆笑!


イヴァン:フラッグとりました。

GM:初期からフラッグとっている。強いね。

イヴァン:『デストロイヤー(旧マローダー)』力で奪い取れ。

爆笑!

GM:さっき保護だとかいっていたけど――

イヴァン:さっき保護や防衛とか言ったな。あれは嘘だ(笑)。

爆笑!

GM:守る守るとか言ってるけども、最終的に力で奪い取るんですね(笑)

イヴァン:いやいやいや、最終的にこの世を支配しているのは暴力だ!って部分だ。信仰と言ってもいい。問題起こったら正論しいて抗議とか、祈るとかじゃない。槍持って走っていく。「神め!今日勝たせてくれなかったら、オレはお前を信じない」みたいな発想。
GM:コナン・ザ・グレートの発想じゃない。


イヴァン:ちょいと装備の話なんだけど、イヴァンの場合は二つの槍をもっている。一つはトランスモーフスピア。間合いを変える効果があって、マローダーと併用すると広範囲に攻撃できる。

GM:ゲイボルグは伝説どおりだとショットガンみたいに撒き散る。

イヴァン:まぁそんなイメージ。そして後は破城鎚。

GM:でかくない?

イヴァン:戦で使うためのものなんだけど、棍としても仕えて、ガードも上げられる。戦ではむしろこの方が便利なんで、戦士としてはこっち。これは本来両手を使ってしまうんだけど、破城戦車の時だけ、その他の装備に変更されるんで、この時なら盾ももてる。

GM:戦車。

イヴァン:できればデカイ馬ということで…(苦笑)。

GM:はい。

イヴァン:後は盾、これは庇護の花盾という特別な盾で、仲間をカバーする時射程が広い。

GM:そうなんだ。

イヴァン:ケルトの戦士って盾が大切で、葬式なんかだと盾も一緒に埋葬しちゃうでしょ。とにかく盾のシンボル的な価値が大きい。だから盾に関しては拘りがある。ガードは勿論、殴ってシールドバッシュ。そして仲間のディフレクト。そういうシールドワークが上手いんだよね。これは長年の戦の経験で磨かれている技術だ。

GM:300でもスパルタ人は盾を大切にしていたね。集団で陣を作ったりしているわけね。


イヴァン:まぁデータ的な話をすれば、その他の装備を含めれば武器と盾、あわせて3つを持ち、それでガードする。つまりガード値高い。そして防具も戦車のように装備しているだけで防御力が高くなるので普通よりもさらに固い、というデータだね。黒王号に乗って、盾と槍を持つ黒騎士みたいなヤツだよ。

GM:了解しました。じゃ、自己紹介もすんだし、セッションを開始していこうか。



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