Opening phase

     

【士朗〜ピンクウルフ〜】

GM: じゃPC1行こうか。

士朗:ドキドキ。


幸運というべきか、不運と言うべきか
数奇な運命を巡っていた。旅客機の墜落、宿泊ホテルの火事、豪華客船の転覆、大事故に巻き込まれること過去13回。
しかしいずれも大した怪我には及ばず、今に至っている。病院の検査を終える。検査の結果異常無しだった。


カナタ:「おかしい! 君はおかしいよ!」と言いながら医者は帰してくれる。

士朗:「あ〜そんなこと言われても〜」あ、じゃあ、その帰り道ということで どうしてもやりたいこと がある!ちょっと挟んでいいかな。

GM: え。うん、いいよ。

士朗:じゃあ、どこに向かってるかはGMに任せるとして近道になる公園を通っているんだ。そうすると……病院の帰り道だから夕方ぐらいかな?

GM: うん。


士朗:そうすると子供達がさ、4、5人の子供達が遊んでてヒーローごっこしてんだよ。「私はアガートラム! 悪者達を倒すのよ!」「じゃあアタシはサイクロプス!」「え〜俺、オーディナンスなんてヤだよ〜」

GM: 宣伝をいれやがった!(笑)

カナタ:多分眼鏡の子供が「じゃあ、ボクはアレしかないのかな」

士朗:ゲートキーパー!ゲートキーパーは当たりだよ! 隠れ人気だよ!

一同:(笑) 夢忠工房さん発売中のダブルクロス3rdリプレイ

【ビヨンドリペアー】

『沖の浜』を舞台に繰り広げられるアガートラーム「我妻蒼華」の孤高の戦いの物語。
敵か! 味方か! 謎の探偵新行寺吾郎を加えて、蒼華はUGN特別支部・ノアの秘密へと足を踏み込む。

現在ダウンロード版も販売中!詳しくはそちらをご覧下さい。

士朗:とかなんとか言ってるところを横切りながら「……ヒーローねぇ。ふっ……」

GM: そうその子供達の姿に過去の自分を重ね合わせつつ。


士朗:アガートラムの子がドンとかいってぶつかってさぁ。

GM: ああ、いいよ。


士朗:アレだよ。「ごめんなさい。でも、これも世界の平和のためなの!私はアガートラム!」以下略、以下略!そんな子供たちに「いいかワッパども!」

一同:(苦笑)
士朗:「世の中できることなんてたかが知れてんだ!今はそれでいいかも知れないがいつまでもヒーローのままでいられると思うなよ!」

GM: 子供達がジワッと泣きそうな顔になって……

士朗:そう! 泣きそうな顔になって。「ヒーローか。あれくらいの頃は俺もヒーローになりたいなんて思ってたっけ……」顔を伏せ、沈痛に思う。(その内わかるさ。てめぇだけの力でできることなんて、大してねぇんだって。俺はこうして何度も事故で生き残ったけど、誰一人助けられやしなかった……。人は、ヒーローになれやしない)「今は楽しいかも知れない。でもその内わかる!生きてる内に、てめぇだけの力でできるものなんて、大したものはねぇんだ」とか欝な雰囲気をモワァと出しながら、そのまま公園を立ち去っていきます。これだけはやりたかったんだ。

GM: おぉい! 負け犬の帰り道みたいだな。と、君のその欝な姿に対して「ちょっとあんた!」と声がかけられるんだね。

士朗:うん?

GM: 振り返る公園のジャングルジムの上に女の子が一人。

手には松葉づえをつき片足にギブスをつけた少女。
制服を見ると自分と同じ学校だろうか。少女の怪我は痛々しいものだったが、瞳は輝き強い意志の光を放っている。わずかな口元の微笑みすらどことなく不敵だ。





カナタ:おほほほほぅ(笑)。

士朗:伊丹だ! 「伊丹?」

GM: 「さっそく子供の夢を壊してくれちゃってるわね!」

士朗:「いや、別にそんなわけじゃ」つって。

GM: 「人の夢を刈り取るあんたは最悪の男よ」

一同:爆笑!

カナタ:いきなりだよ!

GM: 「自分の体に備わったその特殊な力を世界のために役立てようとは思わないの!?」って言って彼女は松葉杖をクルリと回転させて、それを突き付けるように構える。

士朗:ジャングルジムの上で松葉杖? 「いけねぇ! 伊丹!?」

GM: そう。彼女バランス崩しちゃうんだね。「ギャーッ!!」と言ってこう……。

士朗:「おい!」間に合うかわからないが抱きとめます!

GM: そうだね。

カナタ:ここで【肉体】を振り……。

GM: ん、じゃあ【肉体】振ってもらおうか。

カナタ:マジすか? いやいやいや。

士朗:え〜と、じゃあゴールは?

GM: 目標値は一応7だね。

士朗:7?

カナタ:結構高いけど、まあ普通に出ない目でもないかな。

士朗:【肉体】ですね? 技能なんもなしですね?

GM: なんもなしですね。

士朗:〈運転:二輪〉とかダメですね?

GM: ダメですね。

士朗:(コロコロ)あ、10が出た。クリットした。(コロコロ)15!じゃあ、華麗に受け止めた。

GM: そうだね、受け止めた。ホントはね、彼女ここで骨折するはずだったんだけどね。

一同:(笑)

カナタ:ヒーローじゃないか(笑)。


士朗:「ったく……なにやってんだよ伊丹。つか、おまえなにその怪我」

GM: まあ、彼女は「この間、あなたが飛行機から墜落した時に助けに行ったら足折った」


カナタ:どう助けに行ったの!?

GM: なんかね、墜落する時っていうか、帰りの時に待ってたらしいのね空港で。

士朗:ああ。

GM: ところがその、降りてくる飛行機がそのまんま……。

士朗:おお〜!

カナタ:ちょっと待ってよ! 大事件過ぎるよ!


GM: その事故現場に真っ先に走って行ってしまって、金網を乗り越えてそっちに向かい、君を探している時に足を折ったらしい。爆発に遭って、瓦礫が足に当たり骨折。一緒に助けられた。

カナタ:危ないなぁ!

士朗:「……ったく」

GM: でもねぇ。伊丹が怪我を負うのは自分のせいもあるけど、すごい正義感ためにやってる。

士朗:う〜ん、なるほどね。

GM: 君と同じように、昔はこの世にヒーローいると信じていて、今も彼女は信じている。

士朗:あ〜いいねぇ。あ、じゃあ、それに対して一言言わしてもらおう。怪我の話を聞いて「あの現場に来たのか? おまえ」

GM: 「うん」

士朗:「なに考えてんだ! そんぐらいの傷ですんだからいいものを」

GM: まあ、彼女の方は「私は現実的でリアリティのある人間なのよ」

士朗:「笑わせんな。おまえが昔言われてたあだ名忘れたのか? 骨がポキポキ折れるから『ポッキー』だ!」

GM: 「あぁぁぁ! こいつ最悪!! あんたのことなんか『シロ』って言ってやる!」

士朗:「もう少し身の程をわきまえろ!」

GM: 「学校中に言いふらしてやる! シロって呼んでやる!」

一同:(笑)

士朗:「やっ……やめろ! それは……昔の話だろ!」

GM: 「昔じゃないわ。今まさに『今』になったわ」

一同:(笑)

士朗:「俺だっておまえがポッキーだったなんてあだ名は誰にも言ってねぇぞ!」

GM: 「シロちゃん。女の子をいじめる男と、私とどっちが正しいかしら?」

士朗:「てめぇ! こういう時だけ女ぶりやがって!だいたい伊丹! おまえはなぁ!」


GM: 「なんで……伊丹…って呼ぶのよ。昔は愛って呼んでたじゃない?」


士朗:「いいじゃねぇか……!」

GM: 彼女の方もなんか話し掛けづらい雰囲気をまとって、達観した目で歩いていく。


士朗:ここでちょっと心のナレーションを入れさせてもらおう。(こいつの名前は『伊丹愛』……)

一同:(笑)

士朗:(こいつの名前は『伊丹愛』。俺が不幸な事故にばかり遭う無力な男だとしたら、こいつはそれ以上の超ド不運な女だ。しょっちゅう骨をポキポキ折るから付いたあだ名は『ポッキー』。それなのに本人はまったく懲りた風もなく見ての通りのじゃじゃ馬だ)


GM: と、君が解説を入れた時。

士朗:(笑)

GM: 帰りだけど、迎えが来るんだね。

カナタ:プップー。

GM: 夏樹さんが車を停める……というよりグルグル回ってたんだね。駐車場を探してたみたい。なるべく安い駐車場がそばにないかと探してた夏樹さんはガソリン代の方が気になり始めたので、そこらへんに停めて見える範囲で探してたみたい。

士朗:「あれ? 夏樹さんじゃないか」

GM: 夏樹さんは手を振る。え〜「シロちゃん?」

カナタ:うわぉう! まさに今だよ!

士朗:じゃあ、そこで伊丹がジロッと見る。「な……夏樹さんは特別だ。……親代わりなんだから」


夏樹さんは――
ちょっと柔らかな雰囲気の長い柔らかな髪の女性。
年齢は22歳。短大卒業後は広告代理店で働くも長く続かず今はバイトをして生活している。
マンションは親が払ってくれているとかで、似つかわしくないマンションにすんでいるが、生活は慎ましやか……と始終お金に困っている。
最近中古で軽を買ったのに駐車場代が高いと嘆いている。





士朗:「夏樹さん! どうしたんですかこんなところで」

GM: 「なに言っているの? 迎えに来たのよ〜。なんていったってねえ。飛行機が落っこちて炎上したんですもの〜」

カナタ:おいおいおい。その帰りなんだ。

GM: 退院したんだよ。

士朗:ああそうか。そうだよね。

GM: もっとも怪我してないっていうんで、精密検査だけで終わったんだけどね。

士朗:「いや、え、まあ、そんなことで?」って言っちゃう。

GM: 「そんなことって……」彼女は苦笑し、それに対して伊丹もさすがに苦笑するんだね。

士朗:「いやぁ〜だって、そのぅほら……俺、これでもうこういうの13回目だしさ。さすがに慣れっこっていうか……」

カナタ:『今年最大の悲劇』とかニュースで言われててもおかしくないレベルだよな。

士朗:『唯一の生存者』とかね。

GM: 車に案内してくれる。「こっちに停めといたから」。

士朗:「あ……まあ……」


GM: 案内しながら「君は不死身ね」なんて言ってるね。

士朗:「そ……そんなことないですよ」

GM: 「君に任せれば、銀行での現金の引き出しとか安心かも知れないわね。ほら、銀行で強盗が銃を乱射したとしても君には弾が当たらない。そんな気がするわ」

カナタ:(笑)

士朗:「でも、それって夏樹さんには当たっちゃうかもしれないってことじゃないですか」

GM: 「え〜じゃあそういう仕事をやってくれるのかしら?」

士朗:「え、どういうことです?」

GM: 「あの、なんて言うか、危ないことは代わりに引き受けてくれるのかしら?」

士朗:「な……ん〜まぁその、俺にできることなら」と言いながらポリポリと頬をかいています。

GM: そうすると「まあ、頼りにしてるわシロちゃん」って言って、頬を赤らめる。そして愛が「ムゥ〜」って言ってる(笑)。愛の方は、なんだろう。一応さっさと引き上げる事にするみたいだね。

士朗:「私こっちだから」みたいな。

GM: うん。「こっち行くわ」


士朗:「あ、待てよ! 伊丹。せっかく夏樹さんが車で来てくれたんだから一緒に乗ってけよ。いいですよね夏樹さん?」

GM: 夏樹さんは「ええ」と頷くが、伊丹は「私はまだもう一回病院に」

カナタ:うぉぉい。

士朗:「もう一回病院? なんだおまえ、今病院の帰りじゃないのか?」

GM: 「別にあんたと一緒に帰る必要はないわ」

士朗:まったく困ったな。っていうかいきなり二択かよ。プィーン(ウィンドウが開いた効果音)。『伊丹を追う』『夏樹さんと帰る』チッカチッカチッカ(タイマーもあるらしい)。

一同:(笑)

GM: どっちでもいいよ(笑)。

サクノ:『一人で帰る』

GM: え〜では「明日から頑張る」君は……。

士朗:あ〜! 違う!「トラウマ」になったんですよ!ま……待ってください。じゃあ……ど、どっちに行こう?え〜じゃあ、ここはシナリオロイスが来てたから、あの……うん。

GM: どうする?





士朗:ぃよぉっし! 思いついたぞ!あの、夏樹さんはそうだ。駐車場に停めてるんじゃないんだよね。じゃ、あんまり待たせるのもアレだな。あ、じゃあこうしよう。「じゃあ夏樹さん。すいませんが俺の荷物だけお願いできますか? 伊丹の奴、あの調子なんで放っとくとまたポキポキ骨折っちゃいそうだから」

GM: それを聞くと夏樹さん。なんか苦笑して「ええ、それじゃ荷物だけ運んどくわね」と言って、車の方に走っていくんだね。

士朗:うん?

GM: で、なんかお見舞いの品みたいなものを持ってくる。

士朗:「なんですかそれ?」

GM: 「一応、退院祝いを買ってきたんで……これ、あげる」

士朗:「え、俺に」

GM: 「渡そうと思ったんだけど、多分帰り遅くなりそうだからね」と言って君の重たい荷物を肩に担ぐ。

士朗:あれ? そばに車あるんじゃないの?

GM: そうだね。その車に持っていく姿が見えるね。

士朗:あ、かわいそうだな。待って! 待って! 待って!。

一同:笑!

士朗:あ〜!? なんだこれ? いっきなりあれだよ! 二択だよ!

GM: え〜夏樹さん。彼女自体はすっごいその……倹約家。でも君のことを祝ってくれようと用意してくれたんだろうね。

士朗:あ、やばい。こりゃあマズイな。

GM: それを見てる伊丹ちゃん。「ふぅ〜ん」って。


士朗:PC1 やべぇ!?

カナタ:難しい(笑)。なんだこれは。

士朗:やべぇやべぇぞこれは。いきなり長考しちゃうぞ俺は。

サクノ:おいおい、そんなもんで?

士朗:しょうがない、とりあえず……ここはあれだ。こうは言ったけど今さら引き返せないから、やっぱり伊丹の後を追っていくけど……この退院祝いのお礼に!……帰りに夏樹さんの好きそうなものをなんか…… それぐらいは知ってるだろう。一年も一緒にいたんだから。夏樹さんの興味あるものを買って帰ろう。これでどうだ!


GM: ん〜そうだね。

士朗:エプロンにしよう! なんとなくエプロン持ってなさそうだ。

サクノ:「ごめんねぇ〜100均で買っちゃった」

士朗:「いや、それよりいいもんですから!」

サクノ:それよりって……(笑)。

士朗:ダ……ダメだ。

カナタ:やばいやばい。ありそうなところだ。

士朗:ぶっちゃけ夏樹さん趣味なんですか?

GM: 夏樹さんの趣味ねぇ? この人は……なんだろうね。やっぱりお茶とかやってるのかな?

カナタ:お茶ですか?

GM: でもそれは宗一郎さんの道場っていうのがお茶出したり色んなことやってるんで、宗一郎さんの趣味は結構うつっちゃっているみたい。盆栽とかお茶とか。

士朗:はぁ〜結構老け趣味なんだね。

カナタ:ほう。

士朗:せめてあれだな。茶立てなんていうか……。

カナタ:茶杓? それともシャシャシャ……。(お茶をかき混ぜる仕草)

士朗:シャシャシャシャシャがいいや。

GM: シャシャシャのほうね。茶筅。

カナタ:……ここらへん難しいかもしれないね。いい物がわかりにくい。

士朗:……茶杓にしておきましょうか。「彼女がほしがっていた」という……茶杓を帰りに買って帰る。

カナタ:「なんでこの竹の切れ端みたいのがこんなに高いんだろう?」

サクノ:「こんなの俺でも作れるよ」

士朗:まあ、とりあえずそれで伊丹の後を追う。「待てよ伊丹!」

GM: 「え〜ほんとによかったの?」とか言いながら、

彼女は松葉杖とか突きつつ「もしかしたらお姉さんのこと好きだったりして」とか言いながら歩いていくんだね。

士朗:(笑)

GM: 「そして二人は恋仲になる。そんな関係を夢見てるのかなぁ君は?」と言って見るんだね。


士朗:「な……なに言ってんだおまえ!?そ……その……夏樹さんは母親代わりっていうか、だから好きとか嫌いだとかじゃなくてその感謝してるっていうか……」

GM: 彼女は君の口に指を押し当てると「満足の行く答えじゃないわ」


カナタ:どぅぅおわぁあぁ!?

士朗:なっ……

GM: 「ま、残りの部分を私がどう判断するか、それはまあ君に委ねる」

サクノ:……のっけからクライマックスだな。

カナタ:わぁぁおう!

士朗:「なんだよおまえ……」

GM: でも彼女嬉しそうだね。チョコチョコ先へ進んでく。

士朗:「待てって!」って言いながら……。


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