「騎士団の集結」

あらすじ

このシナリオキャンペーンの4話目にあたります。
いよいよこのシナリオでマイセン王国の騎士団が集結します。また出番のなかったハウザー大将軍とは始めて出会うことになるでしょう。
このシナリオでの難関は序盤から中盤で出会うライオネルです。正面から対決した場合は勝ち目はありません。ここは逃げるべきでしょう。ここをいかに凌ぐかがこのシナリオのポイントになります。このシナリオは場合によっては短いシナリオになる可能性があります。

今回の登場人物

第4話よりの登場人物です。

セレスティ

セレスティ

第8騎士団の団長を務める女性で元はルキスラ帝国で暗躍した暗殺者でした。追っ手に追われ逃亡してきたセレスティを守ったのは宰相ヒューモスでした。宰相は彼女に騎士団編入を進め、ルキスラから彼女の身を守りました。
暗殺者である彼女は、自分を肯定するものは何もありませんでした。生きるか死ぬかだけの暗殺者にとって孤立し追われる身となれば死ぬだけです。ヒューモスはそんな彼女を理由も聞かずに庇い、さらに自分が生きていけるだけの誇りを与えました。
そういう経緯から彼女はヒューモスを敬愛し、尊敬しています。ヒューモスの変貌には誰よりも深く傷ついています。

ヴァロリー

第4騎士団はエリート騎士団です。国王が騎士団を率いるといえば、だいたいが近衛騎士団とこの第4騎士団なのです。その団長を率いるのがヴァロリーです。エリートの中のエリートであり、育ちの良さは抜群です。ルックスも良く、頭も良く、しかも下々とも仲良く語らえる人物です。欠点といえば自信満々の完全無欠エリートは嫉妬を買いやすいことです。
誰に対しても公平と言われる彼は宰相や国王にも思い通りにならない人物です。しかし彼が正しいのは周知の事実なので誰もが意見を重く受け止めています。今回の事件では、部下である副官ベリナスの報告により王子を守る覚悟を決めています。

ディオラ

ハウザー大将軍に使える女性騎士でかなり爽やかな性格をしています。その開けっ広げな性格と頼れる姉御肌から、存在感のある彼女ですが、実は騎士団問題児のベスト3に入ります。
彼女は騎士団の枠組みを越えて活躍し、正義のためなら法律を破るのも辞さない人物です。宰相の行いには徹底的に戦うつもりです。彼女が直情ならば今頃大戦になっていたでしょう。
因みに問題児の残る二人はジェイクとヨーゼフです。

ヨーゼフ

ハウザー大将軍に仕える騎士です。問題児の一人でマイセンベスト3に入ります。ジェイクとは親友です。やはりいらんことしいの駄目親父なのですが、彼も将軍に仕える名将の一人です。叩き上げの軍人で、その歴戦の経験は有事では頼りになるものです。

《あらすじ》

国王ランドルフの謎の失踪により、マイセン王国に黄昏が訪れる。
危急存亡のマイセンを守るべく各地へと四散していた騎士団達は、宰相ヒューモスの台頭を許した。
マイセン王国の王子【プレイヤー】は、王失踪までに至る数々の事件が宰相ヒューモスによるものであることを知ると宰相との対決を決意する。しかし宰相は逆に王子に国王暗殺の容疑をかけ捕らえるべく手勢を派遣。王子はやむなく落ち延びることとなる。
この時王子を守ったのは王子の護衛騎士【プレイヤー一同】である。王子は彼らにドレイクの姫マリエル・魔法使いアトラントを加え、旅を続けるのであった。

導入時の説明

『第5騎士団と再会した一同であったが、第5騎士団は安住の地ではなかった。魔法使い現第5騎士団団長のマージは、一同の保護には消極的であった。
一同はマージの元を離れまた別の地へと向かわなくてはならなかった。』

マージが一同を拒んだ事実にアトラントは怒りを露にするかと思えば、そうではありません。アトラントは何か考え込むことが多いようです。
→訪ねるならばアトラントがマージの一件に責任を感じていることがわかります。
「どうやら、ワシが竜を使いちょっかいを出したお陰で第5騎士団は窮地にあるようじゃ。もし襲撃者が宰相の手の者ならば、ワシが騎竜を使って妨害したことを知っとるやもしれん。第5騎士団が危険な戦地に派遣されたのは、第5騎士団を弱体化させ、敵対した時も滅ぼす腹積もりなのだろう。」
「マージとしては、同調できんじゃろうな。騎士団を守らねばならん」
「しかし…一国の団長は、自分の騎士団よりも重んじるものがあるというのはワシのエゴだろうかのぅ?」
「お前達には心配をかけるのぅ。しかし、ワシがなんとかしてやる。安心せい。まずはハウザー大将軍を説き伏せることじゃ。アイツが頷けば、話は早いからな」


南西の都市

一同はマイセン王国南西の都市に到着します。ここは都方面と湖に向かう二つの道への中継点という要所にあります。

一同もここでは久し振りの買い物や情報収集ができるでしょう。
酒場では町の情報が獲得できます。
・今現在この町には第8騎士団が来ている。宰相が作った騎士団で情報官として、マイセンのみならず諸国を飛び回る騎士団だ。
・国王の失踪は心配だが、この国には慈悲深い宰相と無敵の大将軍がいる。心配ないだろう。
・王子は半人前で朝廷もろくに出席しない人物で国政には関心がないらしい。(これは流言です)
・国王失踪に王子が関わっているらしいが、眉唾物だ。一人で何もできない王子が王に危害を加えることを画策するなんてナンセンスだ。やるなら誰かと組まないとできないよ。

第8騎士団

一同は町中の行動でだいたいの居場所はつきとめられてしまいます。プレイヤーが忍びを使い、変装などをしていない場合、第8騎士団に発見されてしまうでしょう。
変装の目標値はスカウト技能+知力ボーナス+2D6で16です。
→第8騎士団はローブやフードを着こんだ密偵組織なので、初めはとても騎士団には見えないでしょう。

セレスティ

一同の元に、ローブを着込みフードで顔を顔を隠した3人の人物が近づいて来ます。 後ろ二人は大柄の体格です。先頭の一人は華奢な体格をしています。
先頭の一人がフードを取り、覆面をおろします。中には肩にかかる程度の髪の女性がいます。彼女は丁寧にお辞儀をすると一同に話しかけます。
・私はマイセン王国第8騎士団の団長を勤めておりますセレスティと申します。
※冒険者技能+知力ボーナス+2D6で目標値「10」で第8騎士団の情報がわかります。
第8騎士団は宰相の組織した騎士団で、情報官としてマイセンのみならず多くの諸国を飛び回る隠密的な機関です。マイセン王国に情報を送る使命があります。

・王子とご一行とお見受け致します。
・宿舎など用意しておりますので、宜しければ滞在のところそちらをご利用下さい。

拒む

→一同も相手が宰相子飼いの騎士団ということで、この申し出は断るかもしれません。セレスティもそれは理解していますので、無理強いは出来ません。
断るようならいくつか情報を残して去ります。
「宰相は王子の確保についに自分の警護の第3騎士団を派遣しました。」
「第3騎士団が悪いとは申しません。しかし団長のライオネルは悪い噂の絶えぬ男…ご用心なさい」
「―差し出がましいことを申しますが、濡れ衣を晴らすだとか、宰相を失脚させるだとかいうことは、王子がやるべき使命ではありません。そのようなことは騎士の誰かにでも任せ、王子は王宮に御戻りになられるべきかと存じます。」

第8騎士団の申し出を断った場合の展開

徒歩で移動

一同がセレスティの申し出を断った場合は、石橋にてライオネル軍と出会ってしまいます。ライオネルとすれば、要所を張っていれば、襲撃することができます。

石橋

約束の石橋は、マイセンにある湖に続く大きなもので、長さは20mほどあります。橋の下は渓流となっておりゴツゴツとした岩肌と早い流れの川となっています。
ここを通りがかっているとやがて正面から騎士団がやってきます。第3騎士団です。またこれと同時に背後も封鎖されてしまいます。ライオネルの待ち伏せです。
→ライオネルは一同とあうなり、「おやおや偶然だねぇ」と笑顔を見せます。
はじめは一同に対しても一応の礼儀を払ってくれますが、ライオネルははじめから王子を捕らえマリエルを殺害するつもりです。
相手が思う通にならないということも想定済みなので、戦闘となったら一気にいくつもりです。
●ここでライオネルは本性を表します。背中に担いでいた剣を外すとスラリと引き抜き、それを一同に向けます。余裕の表情です。
「一人も逃がすな。やれ!」
ここでの戦闘はライオネルと部下の第三騎士団3人です。
第三騎士団自体は相当な数がいるのですが、それはアトラントとグウェインが対決牽制しています。

ライオネル

<戦闘特技>   両手利き・双撃・魔力撃T・全力攻撃T・U・キック・薙ぎ払い/追加攻撃・投げ
 HP 400 /生命抵抗23+2d  MP 200/精神抵抗 23+2d  

攻撃 命中値は+1〜+5までさらに強化できます。
・ 「飛びかかる」 命中 23+2d  ダメージ 2d+12    効果:ターンはじめに行います。行動回数に入りません。
・ 「咆哮」    精神 23+2d  ダメージ 2d+12    効果:毎ターン1回実行します。全体が判定し、失敗したら次の自分の行動終了時まで―2の修正を受けます。

主行動です。下記のどちらかを宣言します。
・ 「魔剣で斬る」 命中 23+2d  ダメージ 2d+65    効果:2回攻撃です。対象は別々の目標も選択できます。
・ 「武器狙い」  命中23+2D  ダメージ:なし      効果:魔法武器以外の基本武器の筋力差分耐久ダウン。彼の筋力は80。従って魔法武器を以外なんでも破壊
・ 「薙ぎ払う」  命中 23+2d  ダメージ 2d+40    効果:剣を一本とし、周囲5人に1回攻撃です。

魔法  あまり使いません。
・ 「精神攻撃」  魔法 13+2d  ダメージ 15点精神に 効果:精神攻撃魔法。スティールマインド。MP10点吸収。
・ 「回復」    魔法 13+2d  ダメージ 20点回復  効果:キュアハート。
・ 「ファイア」  魔法  13+2d  ダメージ 18点/9点   効果:相手が抵抗するとダメージは半減します。
ヘイスト時・1d振り5.か6ならば+1回行動。
・ 「薙ぎ払う」  命中 23+2d  ダメージ 2d+65    効果:剣を一本とし、周囲5人に1回攻撃です。

回避
・ 「回避する」  命中 18+2d  防護点 21      固定値ならば回避は22として判定します。


マイセン騎士(第3騎士団)

生命点30(抵抗14固定)、精神点30(抵抗14固定)
戦闘特技:魔力撃・武器1・防具1

●攻撃
・「斬りつける」命中14+2D(ダメージ:20+2D/効果:馬上ではダメージ+4点。)
・「治癒魔法」精神7+2D(ダメージ:なし/効果:10点回復)
・「スパーク」精神7+2D(ダメージ:25点/効果:雷晶石装備につき威力大)

●回避
・「回避する」回避10+2D(防護点:16)
→武器『ルーンバゼラート』生死判定はターンエンド時に行う。

戦利品
(5〜7・雷晶石1個)
(8〜・ルーンバゼラート)


ライオネルとの戦闘は極めて過酷なものです。普通に正面から対決すれば、勝ち目は薄いでしょう。やり過ごして逃げるためには渓流に飛び込むしかありませんが、重たい鎧をつけていれば水泳はできません。溺死してしまいます。
→飛び込んだ場合は落下ダメージに20点の後、冒険者技能+敏捷度ボーナス+2D6で目標値17を出せば泳げます。これを3回判定します。判定に成功の余地がないようならば1回判定ごとに目標値を2下げます。
・1回成功したら溺死しませんが気絶します。仲間が見つけてくれないと意識を取り戻しません。
・2回成功したら大変疲労しますが、無事岸辺につきます。この時武器や盾などは失い、邪魔になる大型の荷物も失います。
・3回成功したらなんの問題もありません。
※この時、アトラント・マリエル・グウェインなどの主要NPC等とも別れてしまいます。

竜で移動

★尚、竜などで移動しようとした場合は目立ちますので即座に発見され、第3騎士団のアクリールの狙撃を受けます。羽を傷つけられた竜は飛行を続けられず落下します。
→一同は50m・50点のダメージを受けます。
※この時、アトラント・マリエル・グウェインなどの主要NPC等とも別れてしまいます。
→ライオネルとは遭遇しませんが、やはり第3騎士団の追撃を受けてしまいます。
《第3騎士団の追撃》へと進んで下さい。

受け入れる

●セレスティの目的は王子を連れて宰相の元を目指すことです。王宮で正式な事件調査を行うことを考えていますが、今は有事なので優先しません。宰相からも「王子の確保が先決、善悪やことの詮議は二の次」と言われています。

宿屋

セレスティは一同を宿屋に案内します。
案内された宿屋は二階建ての建物で、周囲には草木が生い茂り、影となる部分が多いのが作りです。
一同に通された部屋は大部屋で一同全員が宿泊することができます。反面室内は質素で、ベッドが人数分並んでいるというだけです。
部屋は移動には便利な場所です。裏口も近く、マドからは手を伸ばせば木にも届くという場所です。
→ セレスティは一同に対して、「監禁するつもりはありません」と説明し、「ただし勝手なことはしないでください。一言相談を」と念を押します。

夕食

夕食時になると一同に対してセレスティは食事を持ってきます。
食事の内容は豆のクリームスープとやわらかいパンです。他にもバスケットにはいった果物がいくつかあります。
勿論一同はセレスティの食事には手をつけず保存食を食べるというのも一つの方法です。一応セレスティとしては自分がまず食事を食べて安全を保障します。

セレスティから
・彼女は一同に対してもなるべく穏便な対応をとりたいと考えてはいます。ヴィシュナは王子を子供と考え、「今は国のことを学ぶべき時期である」ことうながします。
「宰相はこの有事に自分の直轄の第三騎士団を派遣してまでして事態の収集を図りました。この有事に自身の警護もといてまでです。」
「王子が宰相様に何か疑いをもっておられることはわかります。しかし、宰相様はこのようにお答えになりました。
『自分の疑いを晴らすことよりも、王の安否を確認することよりも大切なことがある。それは国を守り民を安んじることだ』と。
私の目には王子はまだ子供です。自身の言い分や正当性ばかりを主張して、国を傾けているようにしか見えません。」
→ 「王子が正しかったとしても、まだ国を継ぐには早いようですね。」

セレスティの情報

@今回の事件は国外からの可能性は低いと考えています。ルキスラ帝国はマイセンなど眼中にありませんし、危機のマイセンへの派兵など「火中の栗を拾うがごとし」です。
本来ならドレイクの使いそうな手なのですが、今回は姫が関わっているので、可能性は低いです。勿論それすら「姫の婚姻をリスクに仕掛けた罠」という可能性はありますが、姫の婚姻という罠には姫の生涯に傷を残します。よほど地位のある姫より上位のドレイクでもないと考えない手ですが、そのような影はありません。
考えられるのはマイセンの内部分裂です。宰相には確かに可能性がありますがセレスティは信じていません。宰相は時間さえかければもっとマシな作戦があるでしょうし、人心を得ている宰相が、このマイセンの危機に何故ゆえ国を奪うのか解せません。
しかしライオネルには事件の際に怪しい動きがあります。第3騎士団のライオネルは度々姿を消しています。極秘任務といえば聞こえはいいですが、何か暗躍している可能性があります。セレスティには全容は見えませんが、恩人である宰相が灰色だとも考えています。

A王が既に暗殺されており、王子が犯人であるという可能性ですが、ヴィシュナはそれはあり得ないと考えています。王子は頼る宛の無い孤立した存在です。王子が暗殺など不可能です。
気になるのは何故宰相が王子に冷遇し、懐柔しないかです。宰相が国をとる気ならば、王子を傀儡にするべきです。それをしないのは解せません。
→セレスティは宰相の身に何かあったのではと考えています。

Bハウザー大将軍もこの事件を内密に調べているようです。大将軍はマイセンの分裂は恐れているので早計なことはしないだろうと信じています。
→一同が詳しい証拠を提示すればセレスティの「宰相は偽物」という考えを前提に協力します。ただ王子が王宮に戻るべきという考えは捨てません。

夜の竪琴

王子が軟禁されていると、表で竪琴の音色が聞こえて来ます。その音色はまるで心を落ち着けるように安らかな竪琴の音色です。
音色の出所を調べるのならば、中庭へと出ます。そこには、第八騎士団の騎士フレイの姿があります。
無骨なフレイは「王子のせめてもの慰め」とばかりに竪琴を引いていたのですが、大柄な彼女は「自分のようなものがガラではないのでは」とその自身の容姿を恥じています。

セレスティも一同に対しては関心があります。
一同から、王子か国のために各地で戦っていたことを聞くと一同に対しても好意的な反応を返し、先ほどの無礼をわびます。
「皆さんの宰相様に対する嫌疑はあくまで変わらないのでしょうけど、宰相様ならば王子を本当の王へと導いてくれるでしょう」と説明します。

セレスティ
セレスティも宰相に見出され騎士としての誇り埃を学んだ人間なのです。「宰相と出会わなかったら私などはただの暗殺者だったでしょう」と話します。
・ 「少し王子に言い過ぎたようね」と自身の両肩を抱いて身をすくませるセレスティ。
・ 彼女の話から宰相が善行を積んでいることが伺える。
「宰相様には華々しい活躍などはない。でも国の民のことを常に考えてくださっているし、そのお心が人の上に立つものの使命であり優しさであり強さなのだと私は思うのよ。」
「城下の病人の数も知っているわ。戦死した兵士に宛てるべき手紙も目を通される。そのお心こそが私の主君の証なのよ。」
「国王陛下は武力でこの国を照らした。それは素晴らしいこと、華々しいこと。でも人を最後に支えるのは平穏と安らぎだと私は思う。」

第3騎士団の使者

その日の夜一同の元に客人が現れます。
ドアを叩く音に目を覚ますと、ドア越しに声がかけられます。第8騎士団のダルシャーンです。
・フレイは小声に説明します「第3騎士団の使者が訪れました」。「こちらへ」
→フレイは余り説明しません。口下手なこともあり、うまく説明はできませんが、「明け渡すようなことはしません」と説明します。

隠し部屋

一同が通された一室は宿の奥の部屋です。窓は小さく出入りは難しく、裏手には第8騎士団の騎士が待機しているのがわかります。
・部屋の一角にある棚をフレイが動かすとスペースがあります。窮屈な場所ですが、フレイはそこに入ることを進めます。

問答

やがて、騎士団のものと思われる2人の騎士が訪れます。「周囲に人気はない。ここならば話ができるでしょう」と声がします。セレスティの声です。
→相手の騎士の顔は見えません。かなり年季のかかった騎士のようです。しわがれ声がします。

年季のかかった騎士「王子を捕らえたと聞いたがまことですかな」
セレスティ「捕らえたと申されますか?王子は罪人ではありません。保護したのです。王子を害そうとする方々が多いので、仕方のない対応です。」
年季のかかった騎士「そうですか…まぁこの場で認識の違いを論じることもありますまい。我々の要件もご存知かな。」
セレスティ「王子を引き渡せと」
年季のかかった騎士「左様。」
セレスティ「出来ませんな。」

年季のかかった騎士「ほう。何故」
セレスティ「今回のことはマイセンの内部に問題がある可能性があります。王子を渡したとして、安全を守れる保証はありません」
年季のかかった騎士「第3騎士団が信用できないとおっしゃられているように聞こえますな。」
セレスティ「……」

年季のかかった騎士「では一つお話しましょう。あなたは元々はルキスラ帝国を騒がせた暗殺者ですが、何故あなたが騎士になれたか…騎士として信頼が得られているかお分かりですか。宰相様があなたが潔白であることを証明しているのです。もしあなたが宰相様をお疑いだというのなら、あなたは自身の潔白も疑われているのですよ」
セレスティ「……私は宰相様は疑ってはいないわ。」
年季のかかった騎士「こちらに宰相様の命令書もあります。ご覧になりますか。」
セレスティ「?!」
セレスティ「……確かに。」

年季のかかった騎士「翌日北の石橋にて、お引き渡し下さい。異論は御座いませんね。」
セレスティ「…宰相様からのご指示とあらば。」

セレスティの意見

→ここまでの会話が終わり、使者が帰った後に一同を交えて話がされます。
・「聞いての通りよ」
・「宰相様の命令書は本物だったわ。私への支持は必ず専用の印を使うのだけど、それも間違いなかったわ」
・「これはマイセン王国からの命令で逆らうことはできない。でも第3騎士団は信用できないわ。」
「夜のうち逃げても捕まってしまうでしょうし、ここは証拠の安全を確保するために、マリエルには非難してもらうべきじゃないかしら。ハウザー大将軍に届ければ、大丈夫だと思うわ。」
※この時、アトラント・マリエル・グウェインなどの主要NPC等とも別れてしまいます。
・「王子と一行は私達が同行すれば手荒なことはしないと思うわ。ただ、もしそうじゃない場合の対策を練らないと…私はいくつか手を打っておくけれど、あなた達もその時は自力で切り抜けるように。
防具はなるだけ軽装を用意して身動きがしやすいように。」

石橋

約束の石橋は、マイセンにある湖に続く大きなもので、長さは20mほどあります。橋の下は渓流となっておりゴツゴツとした岩肌と早い流れの川となっています。
※第3騎士団がここに場所を決めたのも頷けます、出入口さえ塞いでしまえば出口がないからです。

ここに一同を案内するセレスティは手勢はわずか20人あまり、対して待ち構え迎えいれる第3騎士団は100 人ほどが見えます。それらを指揮していた赤毛の男ライオネルは、馬上から降りると一同を受けとるべく歩を進めます。
→ライオネルは一同を引き取り、武器を回収を命じますが、セレスティはそれに割って入り静止します。

ビジュアルシーン〜橋上のやりとり〜

セレスティ「王子とその近衛の方々です。礼を払うように。くれぐれも御身に危害が加わらぬように」
ライオネル「んなことは分かってるぜ」
セレスティ「貴殿は信用できない。私も同行しよう」

その言葉に業を煮やしたのかライオネルは不機嫌を露にします。それを察知したのか、第3騎士団で老騎士が近づき声をかけます(昨夜の人物です)。
ライオネル「面倒臭ぇ女だ。どうせ20〜30程度の数、ここで始末しちまおう」
老騎士は眉を潜め、「そ、それは軽率過ぎますぞ」と意見します(言動も軽率ですし、作戦的にも行き当たりばったりですから)。

本性をさらけ出すライオネル

●ここでライオネルは本性を表します。背中に担いでいた剣を外すとスラリと引き抜き、それを一同に向けます。余裕の表情です。
「一人も逃がすな。やれ!」
→第三騎士団一同の攻撃の刹那「待て!」とセレスティは一括します。
「言ったはずだ貴殿は信用できないと。こちらとしても前もって対策を練らしてもらったわ。」
「この石橋には昨夜の内に炸薬を仕掛けてある。お前達が、兵を向けるのならば落とさざる得ないな。」

ライオネルは睨み付けます「はったりだ!王子も無事じゃすまねぇぞ」
セレスティ「王子は私が守る。それに王子らは渓流に落ちても装備が軽いので助かるが、第3騎士団装備ではどうかな?」
ライオネル「橋はこちらが掌握してる。炸薬なんぞに火は付けさせねぇぞ」
セレスティ「確かに兵は近づけれないが、音はどうかな」
→そんな一同の元、耳に届くのはフレイの竪琴の音色です。
★呪歌にはビブラートというものがあり、ガラスなどのものを破壊する効果があります。この発動には6ラウンドかかります。

ライオネルはその音色が耳に入った時、その事を気が付きました。しかしその一瞬な思考の隙をついて、セレスティはボーラを投げつけます。ボーラは剣に絡み付くと、剣は腕に巻き付くように絡めとられます。

戦闘開始

「走って!戻るのよ」
セレスティの声が一同に向けられます。
「今第3騎士団は橋の制圧に尻込みしているわ。今のうちに片翼を突破するのよ。」言い終わるなりセレスティはライオネルへと駆けていきます。ライオネルと対決するつもりなのです。

ライオネルは剣を振り回すこともできず片手でセレスティを相手にしなくてはいけません。

プレイヤー勝利条件

★一同は第3騎士団と対決しなくてはなりません。老騎士は指示を出し、自らもプレイヤー一同を背後から襲います。
★老騎士を倒し、第3騎士団をプレイヤー人数撃退すれば、一先ずは脱出できます。
★6ラウンドで勝利しないとなりません。そうしないと渓流に落ちてしまいます。

宰相の手駒 レベル5

生命点 25 精神抵抗8+2d(15固定)
マルチアクションで2攻撃と魔法を実行。
<攻撃>
「棍棒で攻撃」 命中 14+2d 打撃点18点 
「短剣で攻撃」 命中 13+2d 打撃点17点  毒:生命判定16 失敗すると毎ターン1d6点のダメージ。加算する。
「鍵縄で攻撃」 命中 11+2d 打撃点なし   命中すると回避−2修正。
「エネルギーボルト」 魔法7+2d(14固定) ダメージ10点固定 抵抗すると5点。
<防御>
「回避」    回避 7+2d(14固定)  防護点 2点 ・・・27点で即死する。
→ 斬られるだけのいわば雑魚。倒して経験点をかせげ。

戦闘中のイベント

@ライオネルの強さは予想を越えています。ライオネルはボーラと重りが絡まったまま剣を振り回し、セレスティはそれを回避しようと懐に飛び込みますが、それをライオネルは狙っていました。ライオネルはセレスティの懐の短刀を左手で引き抜くと、交差した刹那に太股に突き立てます。
→わずか1ラウンドで勝敗がつきます。
Aライオネルは2ラウンド目に入ると後方に控える第3騎士団の騎士に声をかけます。
「アクリール。遊んでねぇで橋の安全を確保しろ。」
後方に控えていたアクリールという黒髪の女射手はライオネルに対してため息を突きます。「…自分の軽率さを棚に上げて」とぼやきます。

Bアクリールはこのラウンドでフレイを発見します。身の丈ほどの弓矢を魔法の籠手で引き絞り、遠く草むらに矢を放ち待つ。同時に音はやんでしまいます。
ライオネルはボーラを振りほどきます。
セレスティは血みどろで転倒しながら、懐から何かを取りだし即席に調合を開始します。これをライオネルは見逃してしまいます。

Cライオネルは指揮系統を回復すると、後方第3騎士団を派遣さます。ただしこのラウンドでは移動開始しただけです。
セレスティは調合をした品を投げつけます。煙幕です。同時に油も石畳に投げつけます。

D第3騎士団で煙幕に封じられてこれません。足並みは遅くなり、油に足を取られます。
ライオネルはセレスティを探しますが見失ってしまいます。そこで血の跡を追いかけます。

Eセレスティは自力で橋の炸薬を爆破します。このラウンドで、第三騎士団増援とライオネルは橋の下へと落ちてしまいます。
→もしプレイヤーが6ターンまでに敵を撃破できない場合は、やはり落下してしまいます。


第3騎士団の追撃

第3騎士団は追撃の手を緩めません。騎馬隊を派遣し一同を追いかけます。騎馬の数は20名と多いわけではありませんが、今の一同を追い詰めるには十分という考えです。
→もし一同が偽装などを用いない場合は発見されてしまうでしょう。その場合はレンジャー技能+知力ボーナス+2D6で目標値18です。成功した場合は第3騎士団騎馬隊をやり過ごすことができます。その後第4騎士団の団長ヴァロリーと副官のベリナスを発見します。多くの場合はベリナスと面識があるでしょうから、再開できるでしょう。

第4騎士団

第3騎士団騎馬隊に襲撃を受けている時、さらに新手の騎士団が現れます。旗印を見ると公明正大で知られる第4騎士団です。
第4騎士団の先頭騎士は馬を寄せて確認にきます。やってきたのは知る人ぞ知るベリナスです。
ベリナス「見れば第3騎士団の騎士とお見受けするいかが致した?」
★一同がアピールすれば、ベリナスは気が付きます。これは放っておいても気が付きますが。

後ろで声をかける第4騎士団団長のヴァロリーに対してベリナスは告げます。「こいつら第3騎士団じゃありません。第3騎士団を名乗る賊徒です!」
→第3騎士団騎馬隊は狼狽します。彼らは正真正銘の騎士ですから。しかし、事態の説明は難解です。うまい言葉が出てきません。

ヴァロリー

やってきたのは重厚な鎧を纏った馬上の騎士です。炎のような赤い鎧とマントの騎士です。この人物がヴァロリーです。
第3騎士団騎馬隊は顔色を青くします。ヴァロリーは騎馬隊に鋭い視線を送ります。そして王子に向き直ると声をかけます。
「馬上にて、ご無礼つかまつります。マイセン王国王子【PC】ではありませんか」
「やはり。ベリナスからは詳しい事情は伺っております。」

ビジュアルシーン

話をしていると、第3騎士団騎馬隊も会話の流れから不穏な気配を感じると、怒鳴り声を上げます。
「我々は公務の中にあります。まさか我々の手柄の横取りなどなさるおつもりか?!」
しかしその言葉はヴァロリーの逆鱗に触れます。

「主君に刃を向けて、一体何を手柄と申すか!不忠を不忠と知らずに士道に背くを知らぬとは。」
→ヴァロリーは手をかざし一同を庇うように自分の騎士団へと導きます。

騎馬隊は同様します。しかし、彼らも引き下がるわけにはいきません。一斉に刃を向けるとヴァロリーに対して切りかかってきます。盾を構え、打ち込まれる刃5本を制します。
驚く騎士達。剣を押し迫る。ヴァロリーは右手で鞘より剣引き抜き振り上げると、跳ね上げられる剣5本を叩きおります。
→騎馬隊は全員が驚愕、青ざめ切っ先を見上げます。振り上げたままのヴァロリー。咎人への断罪の刃を下さんとばかりの威厳があります。
騎馬隊の一人が逃げ出すのを切っ掛けに彼らは四散逃げ出していきます。ヴァロリーはそれを見届けてから剣を鞘に納めます。

ヴァロリーの説明

「ベリナスの報告によれば宰相が豹変。王子を孤立させ政権を奪わんとしていると聞きます。にわかに信じがたい話…ですが今の有り様を見れば、疑惑の目を向けなければなりませんな。」
「第8騎士団のセレスティからも、保護を依頼されました。彼女は密偵型…王子の保護には荷が重いということです。」
「我々は既にアトラント前団長、グウェイン達と会いました。勿論ドレイクの姫マリエルもいます。彼らは一足先にハウザー大将軍のいる湖畔の町に向かっています。」
「我々も向かいましょう。」
→第8騎士団のセレスティは?「…彼女は宰相を疑いつつも信頼…いや敬愛しています。私の制止など聞かないでしょう。生きていれば宰相の側で逢いまみえるでしょうが、今は無事を祈るばかりです。」


湖畔の町にて〜再会〜

一同をは魔法使いアトラント、ドレイクの姫マリエル、グウェインと再会します。
●アトラント
アトラントは大将軍のいる間から出てくると「この分らず屋の頑固者が!」と振り返り、怒鳴り声を上げています。
→アトラントは、ハウザーに打倒宰相の挙兵を促しました。証拠は揃っているのですからアトラントと同調するプレイヤーも多いでしょう。
対するハウザー将軍の答えは「王の安否が分かっていない」「ここで挙兵すれば残る2勢力ドラゴンとバジリスクに乗じられる」と反対しました。当然モロゾフは「屁理屈こねおって」と怒りました。

●グウェイン
グウェインは自分の騎士団と再会したようですが、騎士団からの情報に動揺しています。バジリスクとドラゴンの軍は今までのような国境侵害ではなく、雌雄を決すべく総勢力で来ているのです。
→彼にしてみれば、今は王様が誰かということではなく、なんとか撃退しなくてはならないと考えています。マイセン王国消滅の危機なのです。
「何があったか知らないが宰相と仲直りしたら?」とのんきなことをいい、一同の苦笑とため息を誘います

●マリエル
マリエルは居場所もなく、別室で沈み込んでいます。一同と顔を会わせると、目前まで着ますが抱きつく勇気はありません。
もじもじして、ようやく笑顔を見せるのが精一杯です。
→王子が歩いていく時は、ついていってそっと指先を絡めますが、王子が何か反応を取るとすぐに指を離して立ち止まってしまいます。後は後ろをついていくのが精一杯です。

壊滅の第5騎士団

一同はここに落ち延びてきた騎士ルドルフ達と再会を果たします。
第五騎士団もここに来るまでに全体の数を20人までに減らしてしまっています。
→ ルドルフは何か大変落胆しているようで、がっくりと肩を落としています。
クリームヒルトの説明によると、彼等は合流する前に援軍として来ていた第三騎士団に襲撃をされていたということです。
当時大きな被害は免れていた第五騎士団にとってこの攻撃は致命的な被害となりました。

クリームヒルトも自分の愛馬が死んでしまったと嘆き悲しみ。落胆しています。
我慢して嗚咽が漏れるのは堪えるものの、その涙はかれることなく流れています。

セリエ負傷
セリエは右腕を失い、右目も負傷もしている。彼女自身はそれを気にする様子はないが、その周囲の騎士達はその姿に衝撃を受けている。
ベリナス「双剣で知られるセリエが利き腕を失うとは・・・。残念だ。」
・ セリエは自身の状態は気にもかけず、「ライオネルの力量は噂以上だ。あれはもう人の域ではない。私もまったく勝負にならなかった。」と説明します。
→ 「手合わせしてわかった。あいつが第一騎士団を倒したんだ。しかし、奴は一体何者なのだ。」

アカトゥーシャ「たまらないものね。自分の仲間に攻められるって言うのは・・・」
ドルフィン 「あいつ等はあんた達のことも探してた。え、もうあったの。災難ね。」

休息

ハウザー将軍にあった一同はそれぞれ部屋を与えられ、久方ぶりの休養となります。

ディオラ

一同を案内するのは褐色の肌に黒髪の女のディオラです。彼女は開けっ広げで爽やかな姉さんで、男勝りにガハハと笑います。
そんな時、のっそり四角い顔に口ひげの大男ヨーゼフが現れます。ヨーゼフは「なんなら俺が案内するか?」と声をかけますが、ディオラは「おっさん仕事しろよ」とあきれ顔です。
※ヨーゼフは仕事をサボる口実に顔を出したのです。
→ディオラは「将軍は真面目な片なのに部下のジェイクも、ヨーゼフもろくに仕事をしやがらない。」と悪態をつきます。

一同の部屋

一同が通された部屋は、小綺麗に片付いた部屋は品のよい調度品に飾られ、テーブル・ソファー、机にテーブル、ベッドという作りになっています。窓は大きくそのままテラスになっているという作りです。
★一同の部屋には微妙に違いがあります。ベッドの配置が逆だったり、部屋にはお菓子と紅茶がおいてあったり、クローゼットに着替えのシャツがおいてあったりという具合です。
ディオラに訪ねるなら、「泊まりにいくと隣の部屋がどんな具合か気にならない?私はよく覗きにいったね。」「そういうわけで会話が弾むワンポイント。」

インターミッション

ここはまったり気を抜く息抜きタイムです。序盤は戦闘が多かったものですからこの辺でリラックスするのも手ですね。
―そういうわけでいろんなことがあります。

●ヨーゼフ
作戦会議室でヨーゼフが油を売っています。壁にかかっている地図に、ダーツを投げながら時間を潰しています。
「ヨーゼフ。地図もってこい」と声がかかり狼狽します。「ただいま」との返事とは裏腹に穴を埋めようと必死になっています。

●マリエル
マリエルが王子の部屋を訪ねてきます。マリエルは王子と一緒にいると幸せそうです。自分から何かすることはありませんが、部屋で本を読んだりして時間を過ごします。人混みや他の騎士団は苦手そうです。
やがて部屋にディオラがやって来ます。ディオラはコーヒーを入れてくれます。マリエルは初めてのコーヒーに興味深々です。
入れたてのコーヒーを飲みマリエル。微妙な表情をして押し黙ります(不味そう)。ディオラは笑って「大人の味だ」と自分も飲みますがしばしの間をおいて「…苦」と呟きます。

●ディオラ姉さんと一緒
一同が王子とマリエルに気を使うようならディオラは暇そうな一同を町に誘います。酒場に入るとじゃんじゃんそっせんして注文します。「あ、これアタシの分だからあんたらも自分で注文しな」
並べられた焼き菓子を見てはディオラは「それも全部だ」と声をかけ、聞き直す店員に「全部だ」と笑顔で詰め寄ります。

●ジェイク
夜になるとジェイクはテラスから酒をもってやって来ます。「入れてくれ」と窓を叩くのです。彼は室内に入るなりいくらかの酒瓶を取り出して見せ「お祝い」と酒を進めます。
翌日に大将軍の秘蔵酒が盗まれたとかで、大将軍は不機嫌です。ジェイクは素知らぬ振りをしますが、バレるとプレイヤーを巻き込みます。

●ヴァロリー
ヴァロリーが乗馬の稽古をしている一同を横目に、休息時間を過ごしています。ディオラ達が声をかけます。「そういえばヴァロリー団長は第4騎士団で一番の馬術の使い手ですよね。秘訣とかあるんですか?秘密訓練とか?」
ヴァロリー「え?いや無いな。」
ディオラ「またまた」
ヴァロリー「私はエリートだから、特殊な訓練とかはいらないんだよ」と笑います。
→ディオラは立ち去るヴァロリーを見て、「私一発であいつ嫌いになったわ」

●カーテナ・オブ・マイセン
(これが休息終了のイベントです)
ハウザー大将軍は王子に対して一振りの剣を手渡します。「カーテナ・オブ・マイセン」です。
「カーテナ・オブ・マイセン」はマイセン王国の国王と12の騎士団長が持つ儀礼剣で、武器というよりは名誉的な武器です。それは普通に知られていることです。
→ハウザー大将軍は今までの警護していたプレイヤーの一人にこれを渡して、第一騎士団の団長とすることを進めます。
→翌日皆が集まる席で渡すことを進めます。

号令

翌日この場に集合した騎士団が集まり、ついに号令がかけられます。それを壇上から見下ろすハウザー大将軍と王子。
ハウザー大将軍はまず自分が騎士団に対して演説をします。
「マイセン王国騎士よ。度重なる異常事態に不安を感じるものも少なくはなかろう。これに道を悩むものも少なくはないはずだ。」
「先輩である私から諸君の為に送る言葉はこれ一つだ。我らマイセン王国の騎士は、宰相に使えているわけでも、そして王族に使えているわけでもない。我らは正義とこの地の未来に使えているのだ。」
「今我らがマイセンは危機に瀕している。その危機にまた新たな仲間がかけつけてくれた。今日この日に諸君に紹介しよう。その人物は、隣国との戦いからマイセンを救い、姫を守り、竜と戦った。そしてなんという偶然か我らの主君たる一族、マイセンの王族なのだ。」
「諸君も知っての通り、この頼もしき英雄は、今や国中を追いかけ回される有名人だ。当然何をしても目につく方なので、諸君も冷々することだろうが、この新米を我らの同胞として温かく迎えて欲しい。」
「そしてこの仲間が、我らと同じ志を持つ我らの主君であったという偶然を神に感謝しよう。」
ハウザー大将軍はここでしばしの間をとった後号令します。
「一同我らが主に敬礼」
騎士団もその号令に一糸乱れぬ敬礼を取ります。騎士団の目には同調や敬愛などが見て取れます。

ハウザーは平伏し王子に座を進めます。
「我らは無作法者で申し訳ありません。先ほどの演説が王子の耳に届かぬよう、どうかお目こぼし下さい。」(ハウザーは一人の仲間として演説をしたので、主従を軽んじる演説でもありました。それを許して欲しいと述べたのです。)
★ここで王子の演説となります。
→よっぽどすっとんきょうなことを言わない限り、王子の演説には大きな歓声が上がるでしょう。
★ここで、他のプレイヤーの騎士叙任「カーテナ・オブ・マイセン」の授与が行われます。仲間の一人のプレイヤーを選択し団長に決めて下さい。
→ハウザー大将軍は「新たに編成された第1騎士団と任命された団長に敬礼」と号令をかけます。第1騎士団とハウザーが声をかけたことにより、【近衛=第1騎士団】として一同は認められます。これは王子が次期国王とガンツァーが認めていることの現れでもあります。

一同の前に今までの騎士団長達が進み出て礼を取ります。
●王子の王城脱出を支援した女騎士団長フランチェスカは「王子が清廉潔白であることは、私が証明致します」と頭を下げます。

●魔物討伐隊のグウェインは気さくに「よろしく」と握手を求め「王子が勇敢なことは俺が証明します」と告げます。
→「ワタクシも、であります」とクリームヒルト達も続きます。

●ヴァロリーは頭を下げ、礼を取ります。「王子が我らの主君でありマイセンの王に相応しい人物であることは、私と私の騎士団が証明致します」と告げます。後ろのベリナス達も頭を下げます。


続く

今まで出会ってきた騎士団が、ようやく王子を認め、一同はこの湖畔の町に集いました。この時点で他のプレイヤーも王族警護の第1騎士団となります。
王子がハウザー大将軍に出会い、認められたことにより、宰相との対決が実現可能になりました。
しかし、まだ周囲には悪しき勢力があり、事件の全貌は明らかではありません。それを解決していくのはこれからのお話となります。


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