初陣の雛鳥
GM:金色のひな鳥が今初陣を飾ろうと世に羽ばたいていった。ランカスターの領土と国境を境にする河は、馬の足なら十分に渡れるものだった。
フィンチ:ふむ。
シルヴァナ:機先を制したぞ。
GM:対するランカスターの兵は急遽集められた軍勢で、まだ本隊の迎撃態勢は整えられていないという状態であった。では騎乗判定12を振ってもらおう。
フィンチ:騎乗? 取ろうか始め悩んだけど……消しちゃったよ。
GM:重たい鎧のマイナスが3なんだ。
フィンチ:陰謀を感じるよ!!(コロコロ)えと! 10。「兄様! 恨みますよ!!」
GM:川を挟んで両軍にらみ合い。心拍数上昇。ドキドキとした胸を打つ鼓動が煩い。そしてまったくの無音。号令。コマ送りに突撃していく騎士団。馬を走らせなくては――
そして、引いた手綱、馬の横面にフランクの足がぶつかり、馬は大きく身を震わせた。
フィンチ:フランクー!!?
爆笑!
GM:「あっ」次の瞬間水面に落ちていた。では水泳判定目標値は10。ただし鎧で3下がる。
フィンチ:水泳! 絶対いらないと思ってた!(コロコロ)マイナスすると8。
GM:溺れた。
フィンチ:まさかっ!? まさかこんなことで!? ああーん!!
GM:初陣は王子の勝利となった。しかし、当の本人がいない以上、これは喜ぶべきことではない。
シルヴァナ:「王子! 勝ちましたよ!! 王子……あれ?」私は笑顔で振り返り、次第に顔面蒼白になっていく。
GM:夕暮れ時の河。フィンチ王子を探して騎士達が叫んでいた。「フィンチ王子」「フィンチ王子」返事のない悲しい呼び声。
シルヴァナ:あああ〜このままでは陛下に顔見せできないよ。(泣笑)
GM:探すフランク。「河で落馬したら……鎧の重さで浮き上がれないって本当? もしかして王子は死んでしまったの……」
シルヴァナ:「バカなことを言うなぁ!!」ひーん。
GM:当然シルヴァナも進軍していけない。やがては引き上げとなる。そしてこれがフィンチ。君の初めての戦だ。
フィンチ:はい。
GM:鎧が重たい。水面がキラキラと輝いていた。人々の歓声は遠く、今はまるで自分とは関係のない他人事のように聞こえる。
フィンチ:死んだんじゃ……

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