ガープスサイバーパンク ガーディアン・オブ・アグノシア4

《オープニング》

アグノシアは開発研究の為に作られた無国籍の人口の実験島であったが、それ故 に諸国の法規に触れない多くの研究が行われていた。
やがて企業集合国家として 成立すると、やがてアグノシアへの移民が始まった。
人口の流入は治安を悪くし 、二極化した社会構造を作り上げた。

現在のアグノシアである。


GM「―という感じではじめます。まず始めにいるのは、アジト(ガーディアン オブアグノシア)の面々。シュウ・ニコ・コシロー・ペッツ達だ。」


ニコ「自分の腕をチューンアップしてます。」

GM「それを見たデレないツンデレ、美少女というには歳が行きすぎたサイバネ 技師アクロスが眉を潜める。アクロスはペッツにアップルパイを食べさせてるね 。」

ペッツ「アップルパイだぁ(とろけるように返事)」
―ペッツはアップルパイ中毒であり、これだけが楽しみという極端な性格をして いる。

コシロー「アップルパイ?」

ペッツ「…アップルパイ。コレしか楽しみない。手も足も無いし」

コシロー「なんでそんな。全身サイボーグにすればいいじゃん」

ペッツ「アクロス先生はこれしか作ってくれなかったの。」

シュウ「多分『手足があると男は危険だから』と改造されたんだよ。余分な器官 も切除された。」

ニコ「ひどくね?」

ペッツ「うまうま…」




GM(アクロス)「何、下品な改造してるの?私のデザインした腕に汚物擦り付 けるやめてくれない?」

ニコ「いや、さ!格闘技で戦えるようにって。どう?」

GM(アクロス)「…最悪。自分が弱いからって義手のせいにしてるわけ?コシ ローもシュウもあんたみたいな安直な考え方はしないわ!」

ニコ「弱…はは…」

コシロー「アクロス。その辺で…」

GM(アクロス)「だいたいあんたは―と叱咤罵倒されるニコ。」

ニコ「…いいんす。…すべて…事実ですから。」

シュウ(アクロス)「事実?真実よ。訂正しなさい!」


一同(笑)

GM「(爆笑)そこをしっかり訂正させるんですかぁ!?」

コシロー「痛たたた…(笑)」

ニコ「うわっキツいッスよ(苦笑)。GMこのシーン飛ばしてくらさい〜」

シュウ(アクロス)「逃げるの?話は済んでないわ!この“意気地無し!”」

ニコ「ぐはぁ!!!!」




GM「放っとくとシュウさんが話聞いてくれないから、シュウさんのシーンで。 」

シュウ「ニコ。修行だ!修行しよう」

ニコ「嫌ッスよ(苦笑)」

コシロー「修行するなら俺も行く〜」



GM「じゃ一同のシーンで!
一同が耳にするのは今朝のニュース。悪いギャングが、アグノシアに入ってきた らしい。ギャングは経済力・経営力を持ち、ICPO(国際警察)にも目をつけ られるという組織なんだが、アグノシアに進出してきたようなんだ。」

コシロー「スラムじゃギャングなんてどこにでもいるじゃん。今までの奴等とど う違うの?」


GM「こっちのギャングはスラムのハイエナ。小さな密輸組織程度。
で、今度のは大手のシンジケート。」

コシロー「デカイのか」

GM「デカイんだ。
―で、シュウはその組織についてはなんとなく知っている。かつて戦った日本の ヤクザのダミー会社の名前がアグノシア新規参入グループにある。あのヤクザだ 。」


シュウ「(腕を組み口を固くつむぐ)ふーむ」

ニコ「???」

コシロー「???」


スズ「おい。何だよ?」

シュウ「え、聞きたい?(嬉しそう♪)」

スズ「(苦笑)」

シュウ「……(真顔に戻って考え込む)」


コシロー「(ボソッ)どうしたんだろ?」

ニコ「(ボソッ)以外と笑えない話なのかな」


シュウ「いや。別に大した話じゃないからなぁ。期待させてもドラマチックに話 せないよ?
ただの俺の過去設定だから。」




―シュウがかつて人間だった頃、上海の華橋マフィアの侠客だった。分かりやす く言うと殺し屋である。
彼らのグループはとある理由で日本人ヤクザのグループと対決、大抗争が勃発す る。
絶滅戦争といえる大抗争。おびただしい血が流れ、構成員全員が絶えるような戦 いに激化する。
そして戦いを制したのは日本人ヤクザ達であった。時代遅れのシュウ達のグルー プは全滅した。




シュウ「…かみさんも子供もそれで死んで、俺も死んだ。脳は脳死前に購入され て政府の備品に。それをアクロスが使ったわけだ。」

ニコ「……(笑えない)」

コシロー「重…(笑えない)」

スズ「……へぇ〜(つとめて平静)」

ペッツ「……アップル…パイ〜」


ニコ「仇打ちするんすか?」

シュウ「いや…。しないよ。俺は死んだし。組織ももうない。決着はもうついた よ。」



悪の勝ち…ってそんな結末は、普通は納得できない。少年漫画で育ち、ヒーロー 物に生きるニコは、そんな落ちは納得できない。
よくある話なんだけど、でも、ね?
ニコ「…(何かいいたいことがあるらしい…が)」

シュウ「不思議に思うかもしれないが、俺はもう全てを受け入れている。
だから復讐はしない。」

スズ「いいんじゃねぇ?そういってんだから。(あくまで他人)」



GM「そんな時事件の知らせがある。スラムの中でもオフィスビルなど比較的治 安がいい区画で事件が起こったらしい。」


シュウ「事件だ。」

コシロー「ねぇ師匠はどうやって聞いてるの?」

ペッツ「セキュリティからの通信を傍受とか、警察無線からとかかな。だったら ボクも出来る。」

GM「じゃないかな?」

シュウ「ふっ、甘い!テレパシーなんだな。人のピンチがわかる。未来予知のテ レパシーだから、もしかしたら未然に察知かもよ」

ニコ「あの、その未来って変えられるんですか?」

シュウ「課題だな。
しかし人は何かにつけ変えようのない未来…現実に直面する。それに挑むのは万 人の課題なのだ。ニコよ。」



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