Middle phase
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【それぞれの思惑〜バルチモア〜】

GM:戦闘が終わる。短時間の戦闘だったがそれはこの村と戦った各人に傷跡を残していた。

ジィク:戦闘が終了したら、手当てされたということで行動してもいいかな。

GM:いいよ。一足違いになるだろう。ウイリアムも手勢の僅かな騎士を連れて訪れる。

ネフィリア:また異国の騎士、ここはなんていうところなの!?

フィンチ:続々と戦士が集まってくる。

ジィク:俺はウイリアムのことを知っているからな。皆に説明しておこう。

GM:ウイリアムも驚く。「なんだと!!まさか君ほどの男が!!?一体何があった」と身を乗り出し、駆け寄る。体裁を論じている場合ではない。

ネフィリア:私も説明します。此処まで来たら事情を説明しないわけにもいかない。「これは私が原因なのです。」

GM:というわけで全員の事情を説明しなくてはならないね。

ネフィリア:「私の名前はネフィリア・バルチモア。」

フィンチ:「バルチモア家ということは、この王国の王家ゆかりってことだよね。」

レグルス:ちょっとまって共闘するのはやぶさかではない。でも「俺達が誘拐犯です」って名乗ると?

爆笑!

GM:マズいわ(笑)

レグルス:姫がどうしたいかで、俺が名乗るべきかどうか、わかれるよな。このまま国に戻るということなら、俺は名乗らなくてはならないが……

ネフィリア:「私はこの国の王女なのです。」

フィンチ:「姫?!お姫様なんだ。」

ネフィリア:「説明しなかったのは私です。これは私の責任です。」

ジィク:俺は黙って説明を聞く。事情を知らないからな。

GM:姫やハバリクが耳を傾けながらもジィクの手当てをしている。

ネフィリア:「このまま国を消えるというのもいいかと私は考えていました。でももう……そういうわけにはいかないようです。」

ジィク:俺達との因縁は偶然のかかわりだがな。

フィンチ:巻き込まれちゃったんだね。

ジィク:「王子。国のことだ。巻き込まれたは無いぞ。」

レグルス:では国に戻ると……。ふぅ。俺のほうから事情を説明しなきゃならないな。「争いに巻き込んでしまったことは大変申し訳なく思います。私達は――」

GM:その傍らにハンナ。

ネフィリア:「ハンナ!!良かった。生きていたんですね!!」

GM:二人は再会を喜び合い抱き合う。「ええもんやな。」とガラティアが貰い泣きをし、ハンナがレグルスを指差して、「この人に助けてもらった。」と説明する。

レグルス:助けたつもりはないけど。

GM:「でもいい人じゃないかも」

レグルス:「いいよ!別に。俺は一応助けた奴だぞ?」なんて名乗るべきか?

ネフィリア:「あなたは何者なんですか?」

ジィク:ヤク漬けの魔法使いと、ヤクの売人?

爆笑!

フィンチ:ヤダー!!(笑)

レグルス:「俺は……あなたを守ろうという派閥のものです。」王の魔法使いとは名乗らない。まだ姫がどういう生き方をするかわからないし、俺は必要以上のことは名乗らないでいいと思う。

ネフィリア:「守る?」

レグルス:「ふ、あなたをかつぎあげて権力を手にしたいって考えている派閥ですよ」さて俺は軍略を振ってみよう。ここにいる連中について俺は推測しておきたい。(コロコロ)クリティカル!27で軍略。

一同:おお!

レグルス:まぁ大体予想はつくだろうけどな。

GM:ヒルダは国境を越えて支援をしている姫で、その性情から国の命令ではなく独自の動きとして動いているだろう。尚、ヒルダの名声はバルチモア国内では国王や王族より上だ。

ネフィリア:え、そうなの?

ジィク:つまり民はヒルダを指示しているってことだろう。この国の有様を見れば当然だな。

ネフィリア:カイン兄様はどうなの?

GM:まぁまぁ人気がある。庶民との関わりは少ないんだ。

ジィク:元々この国の貴族は生活基盤が別過ぎるんだよ。関わりが無くて下まで人柄が伝わらない。

ネフィリア:そうかぁ。他国の姫のほうが指示されているとは。

ジィク:内政干渉間違いないな。

GM:ウイリアムはバストラール傘下のインダストリアからの援助隊だ。

ネフィリア:ここは鉄火場じゃない(笑)

GM:インダストリアは敵国バストラールの属国なのだけど、属国になる前からもバルチモアとは友好な関係だった。腰を低くして援助してきた。今回の動きがバストラールに睨まれないのかということはあるのだけど、バルチモアは大よそ寛大だ。

ジィク:『おそらくバストラールに不満があるのだろう。バストラールを倒したら属国にしてあげるから、心配するな』みたいな?

GM:そうだね。ウイリアムの説明だ。分析と言ってもいい。「バルチモアの内部対立が行われているのでしょう。姫が担ぎ上げられるというのは、王位継承問題がおきようとしていることを意味しているのですよ。」

レグルス:今は派閥が起きる前なんだけどな。

GM:ウイリアムは続ける。「それは国王の力が衰えていることも意味しています」

ジィク:おお。なるほどな。

フィンチ:「あの、ウイリアム侯はバルチモアではどこの派閥と組んでいるのですか?」

GM:「ロアン王子ですよ。国王の跡継ぎ、最有力候補は間違いなく彼ですからね。」ウラヌス国王は国を出ているからね。「私としてはロアン王子にこのことを報告しなければならないでしょう。」

レグルス:えー。すごくヤダな。しかし、どうしようもない。ウイリアムとロアン王のつながりの深さを知りたいんだけど、さっきの軍略のクリティカルの効果を反映させてはダメ?

GM:あ、いいよ。ウイリアムはロアン王子に対してはあくまで表面上の付き合いで、恭順の態度を見せているだけという感じです。ロアンは持ち上げられてただ喜んでいるだけで、ウイリアムを便利な財布ぐらいにしか考えていない。

レグルス:ウイリアムが失脚するとお小遣い減るぐらいの。

GM:そう。

レグルス:バルチモアにバストラールを倒す力はあるの?

GM:無いね。でもロアンは夢を見ている。


ネフィリア:「私はどうしたら……?」

レグルス:「匿って貰う場所を探すしかありません。姫。ご同行願えますね。」

GM:ハンナは反対する。「さっきは助けてもらったっていったけど、こいつら誘拐犯だから!!?」

レグルス:あれ居心地が悪い。そりゃま。そうだけど。

GM:ヒルダは言う。「バストラールにきてもらったら。」

ジィク:まぁ言うよね。予想していたよ。うちの姫(ヒルダ)としては当然の発想かぁ。

GM:ウイリアムですら頭を抱える。「あー、それはー。」

ネフィリア:「ええ、でも大きな戦いを呼び込むことになるのでは?」

ジィク:それは今まで以上に悪い結果になるだろう。頭の悪い俺でも大戦がわかる。ハバリクは目を丸くしているだろう。

GM:ハバリクは顔面蒼白になりつつも、仕方ないという半ば諦めがまじった表情をしている。

ジィク:俺と同じ顔だよ。でもやるしかない。これが俺達チームヒルダの基本的なスタイルだからな。

フィンチ:「僕は賛成。僕達は君を絶対に害したりはしないよ!!」

ジィク:フィンチ王子?

レグルス:それは個人の考えとしてはわかるよ。でも国と言う話になったらどうかな。「ここで王族の一人が亡命したら侵略の口実になりかねない。」

ジィク:「そうだぞ。フィンチ王子。気持ちは分かるが女王はどう取る?」俺はカルディア女王がやる時はやる人だと知ってる。こんな口実を持っていったら、戦になりかねない。

フィンチ:「母さんは……」

レグルス:俺が逆の立場で、バストラール人なら、間違いなく姫を亡命させるよ。これで正式に……内政干渉できるじゃない(笑)

フィンチ:「じゃあ名前や身分を隠してとか」完璧に隠せれば。

レグルス:大体姫が生きていることはばれているじゃない。ウイリアムが伝えるじゃない。俺としてはウイリアムを始末したいぐらいなんだよ。だいたいウイリアムはなんでここにいるわけ?他の王子や姫様みたいな行き当たりばったりの人とは思えないんだけど。いや……もしかしたらこのウイリアムの方がおかしいんでは……(ごにょごにょ)……

ジィク:「そうだ。ハバリク。何か意見は無いか?うちの軍師として。」

GM:「私は相談役程度ですよ?」と困った顔をする。「ではバルチモアの同盟国に亡命してみたらどうです。貿易連合小国ユニオンという国がありまして、それはバルチモアからの距離もありながらも属国と言う立場です。」

レグルス:オープニングで戦があった土地か。

フィンチ:「なるほど。名案だと思う♪」

GM:「途中ニールセン領というところを通らなくてはなりませんが、そこまでいけば、渡る事もできます。ユニオンは海洋貿易都市ですから、そこから海を通ればランカスター領土にも入れますよ。」

フィンチ:「ランカスター領は港町だからね。(前作では)あの人にはお世話になったから、会ってみるのもいいと思う。」

ジィク:「道中のニールセンはどうだ?信用できるのか?」

GM:「わかりません」とハバリクも表情も重い。

レグルス:うーん。国王の元に戻れば国王の庇護を受けることも出来る。亡命するメリットなんかよりも確かなものがある。もし亡命すれば、その道中少なくとももう一度は襲撃をされてしまうだろう。

ジィク:なるほど。まぁロアン派だろうな。

レグルス:「どう選ぶか……何を決めるか。その情報がなるべく伝わらないほうが」ウイリアムに報告されると困るんだよな。このタイミングだと暗殺なんて出来ないし。

GM:ウイリアムは視線を感じたのか「では私はゆっくりと都を目指すとしよう。援助作業がてらですから、足は遅いものになるでしょう。」

ジィク:「ああ、ありがとう。」


ネフィリア:「どうしようかしら。」

レグルス:「私は一度国王に相談してからでも良いと思います。」ここで選択を間違うと戦争になる。間違いなく戦争になる。私達は今一手、もしかしたら先んじれるチャンスなんだ。

ネフィリア:「私は……」

レグルス:「ロアンの対策が早ければ、姫の亡命は国家反逆罪にされてしまうのです。」国王の意思は姫を殺したくないのは間違いないんだ。でも反逆罪となれば姫を弁護できないかも。「少なくとも亡命は待ってください。私は国王に直接このことを伝えます。ですから……」姫が嫌だといえば、俺には何もできない。

フィンチ:「じゃ、国王が受け入れ態勢を整えたという連絡を受けてから動けば?」

レグルス:後手に回るかもしれない。間に合うかな。

ネフィリア:「うーん。」

フィンチ:途中で海賊に襲われましたと行方不明にしたいんだよね。僕は。

ジィク:まぁそんなことだと思ったよ。

ネフィリア:「私達を護衛すると、あなたがたは狙われてしまうのだけど、私はあなた達を頼っていいのですか?」

フィンチ:「国のあれこれはわからないし、どんな陰謀が渦巻いているかわからないし、このまま放っておいてはあなたは助からない。あなたを助けるのが私の正義なんです。」僕らが動けば国の話になるかもしれないけど。

ネフィリア:「フィンチ。あなたは一体?」

フィンチ:僕ももう話すしかない。僕の身分を説明する。「でもバストラールとかじゃない。僕には信念がある。護衛するよ。」

ネフィリア:「ありがとう。」

レグルス:俺はどちらにせよ一度国に帰る。どういうことになるにせよ、一度戻らないとならない。間に合えば、いいが。決めるのはネフィリア様だ。だけど言っておく。「俺は父親に会うのが一番必要なことだと思う。でもネフィリア様の人生を決めるのはネフィリア様だ。」

ネフィリア:確かに一度父に会いたいけど、無理だと思うの。

レグルス:もしロアンの陰謀がばれたら、開き直って父ウラヌス王の失脚に動き出すかもしれない。俺はそれに備えないとならないんだ。ロアン派閥に備えないと……。

ネフィリア:「レグルス。私は多分ロアン兄様の説得もできないと思うの。父の考えを知りたいという気持ちはあるけど、それはレグルスにお願いしたいの」

レグルス:「………むー。わかった。……ガラティア帰ろう。」

GM:ガラティアは反論する。「何言うてんねん!メイジの相手はメイジしかあらへん!!ウチ等帰ったら誰が守るねん!!」

ジィク:「……待て、聞き捨てならないな。俺に言っているのか?」

GM:「はぁ?そのキズだらけのナリで何凄んでんねん。」

ジィク:「……やるか?」

一同:おおぃ!?

GM:「まかり間違ってもお前なんかに負けへんで?!」とガラティアは顔を突き出す。メイジへの自負心がすごい。

レグルス:「帰るぞ」

GM:「アッハイ!」

ジィク:にしてもヒルダがこの国に来たことが間違いなくばれるな。国際問題レベルで。

GM:「困った……バレたら大目玉だよー。」としょんぼりして歩くヒルダ。


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