Opening phase

     

【〜北方の宴〜】


あれから5年の歳月が経ち、アドホックレルムもようやく安定していた。隣接する異民族との対立も、抑えられ、一応の安定を見せていた。

イヴァン:レルムの発展はわかったが、南方王国の状況も知りたい。どうだ?

かつて王国は北方人を取り入れ、優秀な戦士として起用していたが、それが重用されたのは乱世の時のみであった。今では彼らの存在は無用なものとなり、サラミスは彼らを反乱分子と位置付けていた。


イヴァン:かつての俺も重用された異民族だった。そういう者には厳しい時代だな。俺との対立が引き金なら、責任の一端は俺にある。

GM:いや、もともとサラミスにはそういう一面もあった。

逆らうものには徹底した弾圧と排除を行うサラミスの政治は、国内の権力基盤の安定と、王国の権力集約を狙ったものであったが、それは同時に民族間の軋轢を生み出した。

イヴァン:挙兵の時は近いかもしれんな……。

GM:領内を歩くイヴァンの隣には補佐としてスターシャがいる。それはもう自然な光景となっていた。「はい。領土拡大政策をしていた王国はい民族国家…内乱の火種は燻っています。しかし、サラミスの弾圧は早く、その火種はたちどころに消されているのが現状です。」

イヴァン:その点は有能であると評価するべきか・・・「しかし、気がかりもあるな。」

GM:「何でしょうか?」


イヴァン:「このまま戦の機運が高まれたば衝突は避けられない。和解も困難だろう。そもそもサラミスとの対決は避けられん。」

GM:「はい。」

イヴァン:「二つのことを話さなくてはならない。ひとつはこの国の名士達だ。この国の名士たちは元々は王国のもの、国に帰りたい望郷の念は強いだろう。彼らに戦を承服せよと強要できん。」

GM:「はい。」

イヴァン:「彼らを呼んだのは王国の発展の為だ。私の元を離れたいと考えるのならば、それを止めることはできんし、傍観者でありたいと思うのならばそれもいいだろう。戦の後再び戻りたいと思うものは、その禄のまま仕えさせよう。」

GM:「それは……」

イヴァン:「道義のない戦に参加するのは、彼らの名に傷をつけるからな。それが名士というものだ。」

GM:「確かに……」

イヴァン:「もう一つは、お前にはここに残ってもらいたい。王国との和解にはお前がなくてはならない。俺の気持ちのわかるお前でなくては勤まらない。お前が必要だ。」

GM:その言葉に押し黙るスターシャ。理解はしていることだろうが…


イヴァン:「考えておいてくれ。それと、俺はフラガッハの部族を領土に招待することにしよう。あの部族は戦に参加してくれるかもしれんからな。」

GM:では了解。

イヴァン:あと、ジェミニを招いてみよう。南の部族とやらにも関心がある。何か俺の知らない話を知っているかもしれん。

GM:スターシャは「かしこまりました」と頭を下げる。

イヴァン:ジェミニについて説明しておくか。「以前、遍歴の度をしているというものにあった。名をジェミニという。招こうと思う。」

GM:「ジェミニ…ですか。」

イヴァン:「南の部族ということだが、俺は南の部族には心当たりは無い。遍歴の旅ということなのだから、多分名前ぐらいは知れ渡っていると思うが……」

GM:「ではそのものは調べておきましょう。宴席の支度をすすめておきましょう。」

イヴァン:「頼む」


GM:「やべぇ。根こそぎ取られちまう。」と村では大騒ぎになってるだろうけど。

イヴァン:危険な連中といえば…危険な連中だがな。こういう時にゴロンゾをつれてくればいい男として紹介できるのだがな。

GM:つれてくるかい?

イヴァン:そうだな。いいかもしれない。オレグはやめておこう。襲われる側だからな。ゴロンゾなら奴等と大差ない。

GM:(ゴロンゾ)「イヴァンと約束をしていた?俺はそんな話しは聞いていねぇ(ギロリ)」

イヴァン:まったく…俺達・北部民も変らない(笑)アイツらは派手好みだ。調度品の豪華さよりは熊の剥製を好む。武勇と名誉の連中だ。倒した魔物の剥製でも並べておくといいんじゃないのか?

GM:サキュバスの剥製

イヴァン:ただの殺人にしか見えない。

爆笑!

イヴァン:何かあったか?そういえば物語冒頭に『毒を吐くトカゲ』をやっつけたな。

GM:ドラゴンだね。あれがあったな。

イヴァン:竜ともなれば簡単に処分してしまったとも思えない。なんらかの戦利品となっているだろう。売っぱらってなければ、な。

GM:食べてなければ

イヴァン:毒をもつヤツをか?ないだろう。

GM:うめぇうめぇ

イヴァン:ここには毒がある……グフ!

GM:この味は青酸カリだ。

イヴァン:まぁ何か残っているだろう。角とか牙とか。


GM:竜ともなれば、この辺りでは戦利品として重宝されているだろう。多分剥製にされていてもおかしくはない。都に送っても価値が低いからこの辺りの残されているだろう。

イヴァン:煌びやかな都の文化は、血生臭さを好まないからな。剥製なんて博物館だろう。

GM:では君の館は今まで倒した魔物の姿を飾り、その勇武を誇っていた。蜂蜜酒等を取り揃えながら、スターシャは話しかける。「北方の戦士達は、装身具などは煌びやかなものを好みます。このように自分達の財を見せるのも君主としては必要なものでしょう。」

イヴァン:「それを欲しさに攻められてはたまらん」

爆笑!

イヴァン:「ま、それを振舞うのも主君の務めだ。」


毛皮を纏った北方人の姿は、まさに野蛮人というものであった。装飾品で着飾った戦士達はいずれも屈強な体格を誇り、その容姿は見るものに恐怖すら与えるのだ。

GM:ゾロリ。と居並ぶ屈強な集団の中、頭一つも二つも下に歳若いフラガッハが笑みをたたえている。

イヴァン:「来たな」と腕を組んで出迎えよう。「待ちわびたぞ」

GM:アドホックレルムの人々は皆緊張している。「女は隠せ、子供もだ」

爆笑!

イヴァン:客人を出迎えよう。「さぁ入った〜入った。」

GM:駆け寄ったフラガッハが隣に足並みを揃える。「招かれるというのは初めてだな。悪くない。」

イヴァン:「なるほど。普段はどうだ?」

GM:「手荒い歓迎だ。」

爆笑!

GM:「こういうのも悪くない。」とそして後ろの戦士たちに挨拶する。「土産を持ってきた。」酒に毛皮そういった品々、そして略奪した装飾品を駕籠にいれて持ってくる。「今しがた取ったものだ」

イヴァン:ウチじゃないよな?

GM:驚きとともに突然駆け出したフラガッハは目を丸くする。「ほぅ。これは凄いな?」と竜の剥製を見上げる。

イヴァン:「毒を吐くトカゲだ。」

GM:「ドラゴンだろう!!」

イヴァン:アレからデータを確認したが、ドラゴンならば俺一人でもギリギリ倒せるようだ。どうやらフカシじゃない。

GM:「大したものだ。いいなこれは」とその周囲を見て、回って感嘆の声を上げる。

イヴァン:「なに、あの時ほど苦労はしていない。俺もあの時ほど馬鹿じゃなかった。」

GM:「私もアレを剥製にしておけばよかったのだが……」

イヴァン:「親父の剥製をか?よせ。」

爆笑!

GM:「血筋があるとやりにくい(笑)」

イヴァン:倫理的にも正気の沙汰ではない。

GM:これほどの宴ともなると、館を開放しても事足りることもなく、


広場を解放されて執り行われる。多くの酒樽が木槌で開けられる。


イヴァン:「北方の戦士諸君。よく集まってくれた。今日は心ばかりの品を味わってくれ。そしてその武勇伝に華を咲かそうぞ。」

GM:フラガッハも隣で声を上げる。「冬支度にもなる。上手いものを腹に溜め込んでおけ」そして北方人の笑い声。「では何に乾杯する?」

イヴァン:「次の戦に、だ。」

GM:「いいな。では次の戦に乾杯」「乾杯」と音頭が取られる。ジョッキを打ち鳴らす。おおおと歓声が届く。

イヴァン:俺も杯を打ち合わせる。

GM:ゴロンゾも一同に混じって杯を交わしている。

イヴァン:「コイツがゴロンゾだ。お前達も名前ぐらい聞いたことがあるだろう。」

GM:「おお!!」と歓声が上がる。「聞いたことがある。」

イヴァン:「いい名声と悪い名声のどちらだ??」

GM:フラガッハは答える。「私の聞いた話だと、血に飢えた一つ目の巨人だと聞いている。」

イヴァン:「そんなに大きくはないな。一時期腐って急激に丸まったが」

爆笑!

GM:「今は落ち着いた。」と自信満々にゴロンゾが頷く。

イヴァン:「よし、武勇伝に華を咲かせろ。こうでもなければ語らうこともない間柄だ。」

GM:「今回はこの食卓を戦場としよう。」ゴロンゾと北方の戦士達は、あの時の戦いについて華を咲かせている。それを肴に酒を飲むという光景だ。


イヴァン:「前に一杯やったときはジェミニがいたな……ヤツはどうだった」とスターシャについて尋ねよう。

GM:彼女はそれを今この場で伝えるべきか逡巡しているが……

イヴァン:心当たりがありそうだが…後で二人の時に聞いたほうがいい内容か。

GM:「南には部族はありません。遍歴の者といえば名を流布するための旅でしたが、それらしいものはいません。私見ですが……」

イヴァン:「心当たりがあるのか」

GM:「ジェミニは双子を意味します。そして南といえば王国を我々ならば思い至るでしょう。」

イヴァン:「俺もそれは考えたが、イメージが合わない。」

GM:「それはレトワール様でしょう。」

イヴァン:「レトワール?」

GM:「若き国王ソレイユ様……」

イヴァン:国王に名前がつきました!!ソレイユ=太陽。ソルか。

GM:「その双子の姉です。国王陛下は思慮深い性格…悪く言えば引っ込み思案の性格ですが、双子の姉のレトワール様はは国王とは正反対、快活な方だと聞いています。王国のあちこちに出没しているとか……」

イヴァン:腕を組む。「なるほど……見聞を広める意味では価値のあることだと思うが……」

GM:フラガッハはその仕草を真似る。「なるほど、討ち取っておけばよかったな。」

イヴァン:「武勇に長けるものが、幼子を討っても箔にはなるまい。」

GM:「そうだな。幼子を討っても仕方あるまい。」そしてスターシャが話す。「レトワール様は国内でも人気があり、カリスマを持っています……」

イヴァン:なるほど…わかってきたぞ。「国王は俺の説得を受け入れた身、おそらく反乱の話を聞いても納得できなかったのではないだろうか。」

GM:「それはそうでしょうが……」

イヴァン:「その真意を確認するために姉を送ったのではないか??勿論彼女はそれを探るために自主的にきた。」

GM:「辻褄は通るな。」

イヴァン:「つまり、国内ではそれの真意を確かめたくても、それに従うものが多くない、ということになるな」

GM:スターシャはその時の情景が気になり始める。「どのような印象をもたれたと思いますか??」

イヴァン:「俺が一番脳筋だった時が第一印象か?やさしく言っても武力で領土を拡大する野蛮人…というところか。」

爆笑!

イヴァン:「もう一戦あるのは間違いない・・・と考えているだろう。これが国王の耳に入れば国王はこちらを危険視するな。まぁ国王が現在孤立しているのは、我々には有利な情報だ。」

GM:「いいではないか」とフラガッハは頭の後ろに手を回し、椅子を揺する。「我々の力を南に見せ付けることができたのだからな。」

イヴァン:「ふむ。前向きに考えるのならな。」

GM:「遍歴の騎士なら、名を隠すべきではないな。私なら城門の前で名乗ってやろう」と酒が回ったのか饒舌に声を張り上げる。「我こそは〜」

イヴァン:「時が来たら好きなだけ声を張り上げさせてやろう。一緒にいってもらおうと思っている。」

GM:「そうだ。私からも提案させてもらいたい。」とフラガッハが向き直る。「時々は壁の向こうに通して欲しい。略奪もできるし、相手へ力を見せ付ける効果もあるだろう。」

イヴァン:「そうだなぁ」

GM:「毎度小競り合いを見せておけば、いざ攻め込むときも、それが侵略とは考えずに動きが緩慢であろう。よき奇襲になろう。城壁の奥に隠れられたら土地は落とせぬ。」

イヴァン:「その采配は任せてもらおう。」

GM:「うーん?確かにー平原の戦はー得意ではないが」と名案に口を挟まれた不服感を溢すフラガッハ。

イヴァン:「フラガッハ。戦とは賭け事をするではなく、正面から挑み、その大軍を撃破してこそ、その勝敗が明らかになる。それが北方の戦ではないか?」

GM:「それはその通り!!だが、奴等は壁に隠れ、小細工を弄するのだぞ。」

イヴァン:「正面から戦い、そして大勝する。負ければ終わりだ。」

GM:「大戦になるのだな、酒の席で言うようなことじゃないぞ」とフラガッハは嬉しそうにニヤニヤ笑う。

イヴァン:「酒のせいかもな。」

GM:「酒の席なら飲み比べで勝ったほうが、のほうが筋は通る」

イヴァン:「飲み比べかいいだろう。」

GM:「言ったな」

イヴァン:「言ったぞ」


GM:では頑健で勝負しよう。飲み比べだ。忽ち机の上にジョッキが並べられる。何事かと周囲の人々が集まり、囲みができる。フラガッハは10+2d

イヴァン:俺は9+2d。実は魔法の効果で2多いんだよ。

GM:これなら互角だな。勝負!!(コロコロ)どうだ??

イヴァン:(コロコロ)いったか!?いったっぽいぞ。20

GM:16だった。「なんだとー」普通の飲みあいなら絶対負けないんだけどな。

イヴァン:うわははは!!

GM:スターシャはその勢いが心配で心配でならない。

イヴァン:この日のために飲み比べ対策は練っていたのだ!!


GM:「ぐぅ」と何杯目かを飲んだ後、机の上に突っ伏すフラガッハ。「だめだぁ…お前…酒…強すぎる…」ドテっ!!

イヴァン:机の上に立って指差す俺「うわははは!!誰だ!!次に俺に挑んでくるヤツはいるか!!」

GM:人々は歓声を上げる。これは北方の男にしても立派な行為だろう。フラガッハは呂律も回らず「のみなれない酒で…」「フラガッハは約束を破らん」

イヴァン:「こと戦と名のつくことに、俺に敗北はないのだぁ!!」

GM:「大丈夫なの…この人達」と呟くスターシャ。

イヴァン:俺はフラガッハをひょいと抱え上げよう。

GM:おおっと周囲の目が注がれる。

イヴァン:「戦士諸君。後は好きにやっていてくれ」と彼女をつれていこう。

GM:戦士達はその姿を見送り、杯を掲げる。


イヴァン:ベッドに横にしてやろうか。

GM:「久しぶりに酔いが回った……」

イヴァン:「俺の勝ちだろう」

GM:「ああ……だが悪い気分ではない」

イヴァン:「素直に負けを認めたな。」

GM:「いつもお前は危ない戦をする。普段なら、こちらの戦の流儀に従ってやった、などといってやろうと思ったが……お前はいつも正面から向かってくるな。」

イヴァン:「どうかな、俺たちは汚い。今日はあらかじめ魔法で胃を鍛えてきたからな」

爆笑!

GM:「汚い!!でもこちらも普段から鍛えるという汚いことをしている(笑う)」では、しばらくすると、眠ったのかベッドの上で吐息が聞こえる。

イヴァン:じゃあ、そっと口づけして、立ち上が……

GM:「おおおお!!酔ったのか!!」彼女は真っ赤になってびっくりしている。以前は拒まれたのに、と動揺している。

イヴァン:「スマン。そうだ。ああ。酔ったのかもな。」

GM:「し……しどろもどろに……なることはない」と毛布に目を落とす。

イヴァン:「ああ、そうだな……」

GM:「不意打ちだぞ。」

イヴァン:「前回の仕返しだ。前は俺に不意打ちしただろう。」

GM:「ああ…うん。」

イヴァン:ベッドに腰掛けようか、「どうだ。俺のところに通わないか」

GM:「……いいぞ。」

イヴァン:「お前が居ると楽しい。」

GM:「続きがあるかもしれないな。」

イヴァン:「いや、今日はここまでだ。口づけした時に吐かれてはかなわんからな。」

GM:「にゃにおー!!そんな鍛え方しとらん。」と枕をぶつける。「でも、まぁ今宵は確かに飲みすぎた……」

イヴァン:さて、退出しよう。





自分の熱っぽい頬に両手を当てて、フラガッハは呟く。
「どういう状態が正常なのか……わからぬ。」



イヴァン:スターシャのところに顔を出しておかないとな。

GM:スターシャはその宴を少し離れたところから見ている。各人酔いが回り、もう会話などできない有様だ。「イヴァン様。フラガッハ様は。」

イヴァン:「今、寝たところだ。」

GM:そして遠くの光景に視線を移す。「どうしました?」

イヴァン:「お前が不安がっているのではないかと思ってな。」と腕を組もう。

GM:「騒ぎは…嫌いではありません。」

イヴァン:「戦の機運が高まっているのにか」

GM:「……」そして黙るスターシャ。「せっかくです。私からも少し話があります。」

イヴァン:「聞いておこう。」


GM:「先ほどお話しましたレトワール様は…私とも因縁浅からぬ間柄でしょう。」

イヴァン:「……」

GM:「私の家は代々、王国に使え吉凶をつかさどる星読みを役職としておりました。スターシーカー、私の名の由縁ですが、星読みのことです。双子が生まれたときそれを凶兆として王に伝えたのも、父でした。」

イヴァン:「忌み子の話か…」洋の東西は問わないな。史実日本では古い時代では双子は忌み子であり、凶兆としてどちらかを処分せねばならないとした時代があったと思う。

GM:「はい。王はこれに怒り、我々の一族を遠ざけました。私は父への反発があり見聞を広め、名士として諸国に名を広げるに到りました。」

イヴァン:「その星読みを正しいと思うか?」

GM:「……わかりません。私はそちらの方に力を注いでいなかったもので。私が戻れなかったのは単純に私の力不足でしょう。」

イヴァン:「父上が正しく有能だと評価されていれば、解雇などされなかっただろう。役職の上で言わなければならぬことを口にしただけだ。その家が疎まれているのは、国王の感情のまま、お前の有能・無能とは関係が無い。」

GM:「そうかもしれません。」俯いていた視線を合わせる。「私は遠ざけられた有能な名士を、中央に再び呼び戻すことで、その力を発揮したかった……だから…イヴァン様。あなたに、国を作らないかと声をかけられた時、私は虚をつかれたものです。」

イヴァン:「それはそうだ。」

GM:「ふふ」

イヴァン:「だが、まずまず成功している」

GM:「スターシーカーを私は星読みとは解釈していません。シーカーは追うもの…星を追うもの。私は私の星を探していたのです。」彼女はまっすぐイヴァンを見ている。

イヴァン:「願いをかける流れ星は見つかったか?」


この数年で城下は広まり町明かりも点々と灯っている。


GM:彼女は一度目を瞑り、そして上を向く。「私は星を見つけました。」そして瞳を上げる。「イヴァン様。先日の答えをお伝えします。あなたに御仕え致します。」





イヴァン:「すまない。」

GM:「これは冷静に理性的に考えても、正しい判断です。私がもしここを出たとしても、王国が私を重用したり、まして私が戦に関わることなどできないでしょう。」彼女自身理解している。

イヴァン:「うむ。」

GM:多分イヴァン以上に自分を重用してくれる君主には巡り合えないだろう。そして今はこの王国に愛着を感じている。一緒にこのアドホックレルムを作ってきたわけだ。「わかりました。」

イヴァン:「いいのか?俺と来なければ、王国に牙向かずに済む。」

GM:「いいのです。」そして尋ね難そうに話しかける。「私が不忠者で、ガッカリしたのではありませんか?」

イヴァン:「この国に鞍替えしたことを言っているのか。」

GM:「忠義心を汲んで、傍観者でいることを許したあなたは…私の忠義心を信じていたのでは…と。」


イヴァン:「では俺の論理的な考察だ。」腕を組もう。「お前は年齢と次期をみるに国王に対しての面識は無いだろう。」

GM:「はい。」

イヴァン:「お前が王国に対して抱いている感情は、忠義心ではなく、偉大なことをしようとしている大義であると考えている。」

GM:「そうかもしれません…」

イヴァン:「俺は、それを大切にしたいと考えている。それが俺の義理だ。王国を守りたいという気持ちは、俺のほうが強く抱いているかもしれん。」

GM:「……」

イヴァン:「だが、口外にするな。兵の士気に関わる。」

GM:「存じています。そういう方でなくては……ね。」


イヴァン:「王国と北方の人々では生活習慣が違う。フラガッハの略奪の願いは予想できたことだが、これは王国内部に領土を得ても解決しない問題になるだろう」

GM:「はい。解決しなければ民族間の対立になってしまいます。」

イヴァン:「俺の国家予想図でも、民族間の構図を描かなくてはならない。俺はこの北方人を他国に貸し出しできる兵士にしようと考えている。」

GM:「傭兵…国家ですか?」

イヴァン:「周囲の国家に、部族単位で兵として派遣できるようにすれば、混沌にあえぐ人々にとって価値はある。」

GM:「略奪は」

イヴァン:「許される土地には私略行為は許そう。」

GM:「陸の私略船のようなものですね。」

イヴァン:「北方人の牙を抜かずに、その力を生かしたい。」

GM:「なるほど。わかりました。」


GM:「フラガッハ様のことですが。獅子の子という彼女の名には一つ思い当たることがあります。」

イヴァン:「聞いておこう。」

GM:「16年の前のアール平原の戦いでは王国と北方の異民族が戦いましたが、この戦いは七日七晩続いた激戦でした。」

イヴァン:時期的には多分俺も参戦した次期だろうな。

GM:「獅子というのは王を意味する言葉であり、彼女の年齢が16歳。というのは何か意味があるのにではないかと。この戦いは混沌の介入によって引き分けに終わっています。」

イヴァン:「彼女が王の子だと言いたいのか。」

GM:「彼女の名前が報復を意味するフラガラッハから取られたのであれば……王の血が混じっていたとしてもおかしくはありません。」

イヴァン:「俺は信じたくない。くだらん血縁談義だ」

GM:「魔物の子というよりは、信憑性があると思います」

イヴァン:俺は国王に対して未だに不満を抱えている。国王を素直に評価する気がしないし、国王の血の繁栄には否定的だ。「そのようなことは口にするな。」

GM:「はい。しかし、私は魔物の子であることに、それほどの誉れがあるとはどうにも思えませんが……」

イヴァン:「そうか?お前にはわからんか……俺には感慨深いものだ。」


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