シーザー

シーザー(ジュリアス=シーザー)

復讐に燃える白狼王

冷徹で計算高く・厳格な王。それがシーザーです。大陸で言うところの北の果てヴィンランドに国を持ち、次々と諸国を平定・最盛期には領土を5倍以上も大きくしたという征服王です。
「独善的である」と「やり方が強引だ!」と彼のやり方は不人気で、「友人にはなれるが主君にはしたくない」と周囲の言葉です。

このシーザー。
めったに表情を変えない男で、冷徹で氷の鉄則をしいた法治国家の国王です。法律の厳守を徹底し、国内の法整備には力を注ぎました。また内政には熱心だったこともあり、在位時期の反乱はほとんど無く、起きた反乱も対策がすれ違いに間に合わなかったというだけでした。
彼の政治には善悪はありません。王の法に従うかというだけです。宗教や教会の力は抑えられ、従わぬものは死後ゾンビにして労働させるなど非人道的な法律も立てることから、教会とは度々衝突しています。
しかし、内政の上手い彼は教会との直接対決の構図は避け、生涯に渡り独自な自治を守り抜きました。
(シーザーはヴィンランド以外ではその土地ごとに法律をあわせています。教会も一部以外は容認できるのです。)

一見すると感情を交えない彼ですが、その内心に秘めた感情・憎悪は強く、時折それが爆発することもあります。
彼の父親のネロは母国を救った英雄でしたが、折り合いのつかぬ王は報酬を払わず、死後には逆に領地を没収。徹底したネロいじめを行いました。
これに腹を立てたのは幼いシーザーであり、彼は幼少期掌を返すように冷淡になった王国によって大陸辺境に追われたという過去を持ちます。この憎しみから13の時挙兵したシーザーはかつての主君から王位を簒奪、王国を奪い取ります。

● シーザーの戦
シーザーの戦は大変見事なものでした。彼の指揮する軍隊は数の上では敵国の半数以下しか確保できない場合が多かったのですが、巧みな作戦で相手を翻弄します。
「3日で3つの領地を落とす」「一兵の敵味方も命を奪わず戦に勝利する」など、その戦は神がかり的なものです。
兵の動きだけで相手を疑心暗鬼に陥らせ撤退をさせたりと、その智謀は窮地においてさらに発揮されます。これはPC対戦などで行われた動きで、「作戦でここまで勝てるのか?!」という例となり、のちの戦の参考になりました。
シーザーは無益な殺生を嫌う人物でもありましたので、戦というものをどのようにして終わらせるかには最新の注意を支払っていました。

●ライカンスロープの王は時に剣も持つ。
彼は幼い頃ライカンスロープに噛まれ、ライカンスロープに感染しました。視力を低下させた代わりに、嗅覚や身体能力は秀でており、他の国王の中では直接戦闘した場合には恐ろしい力を発揮します。
頭脳派で知られるシーザーですが、隣国が政権転覆の末「弱肉強食・力こそ全て」の国と成り果てた時は、単身乗り込んで相手の国の法律を使って国を奪おうとしたこともあります。頭脳だけではなく、行動力のある国王なのです。

●戦も内政もうまいはずなのに・・・
戦は常勝無敗・内政もうまいとなれば、大抵は名君となるのが相場なのですが、このシーザーは意外と領地を広げるのに失敗しています。

アレキサンドリア領のオードリュークへと侵攻した時の逸話です。
当時戦争によって荒廃して領地を救うという口実でシーザーは内政援助・支援を行います。この目的は当然、国内掌握です。国を取られると悟った騎士諸侯が反乱を起こしたとき、全てはシーザーの予定通りの反応であったために、瞬く間に包囲し、戦は勝利となるはずでした。
しかし、シーザーは相手の騎士達を討つことに抵抗がありました。「死にまで降伏しない」と言い張る騎士達に対し、あくまで自分こそ支配者に相応しいと自負していたシーザーですが、なんとここで逆に彼らに対して自分が降伏宣言をしてしまいます。包囲しているというのにです。
理由を問う騎士達に、シーザーは「もう少しでこの土地も良くなる。おまえ達が頭を下げられないのならば、私が下げてでも内政をやり遂げなくてならない」と告げています。

こうして国を良くした後に市民に追い出されることもしばしばあるシーザーですが、時を経た後はその評価は変わっていきます。「野心もあったが、あの人はこの土地を良くしようとしたのだな」と人々には愛されることとなります。

● ゼノビア建国の礎
シーザーは敵として戦ったレオンやグラーフ、それ以外の諸国とも究めて良好な緊張感ある信頼関係を作り上げました。また彼らの窮地に対しては求められれば援助を惜しまず、共通の敵が現れれば盟主となって連合して戦い、そして飢饉には食糧物資を援助して送ったりしていました。その結果、魔物が人間文明を滅ぼしかけた時期には連合の盟主となって人々を救済しました。彼は志半ばに病で倒れ、その後を息子のシグルトが引き継ぎますが、これがゼノビアの建国の礎となります。人々がすんなり従ったのも、シーザー在位時期に施した善行の影響があるのでしょう。

● 余談・・・シーザーの趣味
シーザーの趣味は料理です。シーザーはその土地にいくごとに土地の風土を生かした料理を作ったりしています。
彼は土地の子供達のために甘い菓子を作ってあげたりしたために、シーザーが来ると子供がおなかを鳴らすというほどでした。また兵士達のレーションの味が悪ければ、おいしいものを考案したりととにかく生活改善に全力を尽くしました。

シーザー

幻想戦記編に戻る

トップページ

Copyright(C)ゴスペラードTRPG研究班 (c) 2009.