レオン

レオン=ガートランド

清濁併せ持つ名君

レオンはタカタンを代表するキャラクターの一人です。「皆々様〜」の挨拶で始まり、薔薇を片手に美辞麗句を並べ立てる美形の貴公子というのがレオンの印象ですが、彼の説明はそれだけでは収まりません。

このレオンという男。美形の貴公子というなよなよした外見に反して相当骨太の人物です。行動力があり・武芸に通じるばかりではなく、成り上がるためのハングリー精神もあり、非常に貪欲な人物です。
レオンは清濁併せ持つ人物です。勝つためには時に謀略を用い、必要とあらば虐殺とて手を染めるという凶悪な一面と、世の平和の為に武器を取り、民の為に国を良くするために全身全霊を捧げるという誠実さも持ちます。これは相反するものではありません。レオンは国家のためならば手を汚し、安定と平和のためならば、正義を時に踏みにじっても製作を断行するという人物なのです。

しかし、レオンが単純に「凄い人」ではないのがここのポイントです。
レオンはコロコロと旗印を変え、主君に反乱を起こしたり、敵に寝返ったり、かつての仲間を手にかけたりとその非道には暇がありません。勿論彼はそれを望んでいるわけではありません。情況が彼に留まることを許さないのです。
しかし一般的な英雄者において、意思に殉じる英雄は少なくありませんが、「何が何でも生きる」ということに執着する・人生を投げ出さない英雄は珍しい存在です。
レオンは「死んで良しとしない」珍しいタイプの英雄なのです。

レオンの生涯

レオンが始めに活躍するのは暗黒騎士とて登場してからです。ディノギノス帝国の暗黒騎士として現れたレオンは帝国に反旗を翻していたグラーフ達と対決していきます。市民代表であるグラーフに対してレオンは国家代表としての存在でした。レオンはその後暗黒騎士団の幹部へと上り詰めていきます。
・ 貴族のような井出達と振る舞いから、生まれもさぞ高貴であろうと人々は誤解しますが、実はこのレオン、貧しい田舎の漁師の生まれでした。レオンはそこから努力の末地方騎士となり、そこから中央に対して仕官していくという苦労人なのです。

この頃ディノギノス帝国を治めていた皇帝ロアンは大変な暴君+暗君で眼も当てられないほどの無能振りを発揮します。残忍冷酷で恐怖政治を行いロアンに対して、レオンは仕えていたわけですが、グラーフ達には「誰かが世を治めなくては乱世は終わらない」と制止の言葉をかけます。
この言葉の直後、レオンはロアン王に反旗を翻し、ロアンを捕えます。ロアン王に対して半ば強引に政策転換を持ちかけたレオンはこの事件で近衛騎士団長となります。「いつでもあなたを見ています」というジェスチャーであったかどうだか、レオン主君に反乱を起こして出世した希稀な礼です。

皇帝ロアンはその後、他国との戦いの勃発などとともに政権を失い、皇帝はレオンの直接上司だった暗黒騎士団長のバストールとなります。バストールとグラーフが戦い、結果バストールが敗れると、王国をレオンが引き継ぎます。
レオンはここでフランス・ガートランド王国建国を宣言します。これは市民反乱軍との対立の構図を「帝国は消滅した」として図ったのでしょうが、市民反乱軍を指揮していたグラーフには通じず泥沼の戦いが始まります。
グラーフ率いる「アレキサンドリア王国」とレオンの「フランス王国」は戦いの末互いに疲弊、レオンはその間半世紀に渡り、アレキサンドリアとしのぎを削ることになります。

この大戦時期の最後には魔物の侵略が始まってしまいます。こうなると今まで人間同士の戦いで疲弊していたレオンは祖国を失いかけてしまいます。これは他の諸国も同じです。この時、諸国の連立同盟を作り上げたヴィンランドのシーザーとレオンは旧知の仲で、レオンはライバルのひしめく寄り合い所帯でも地位を確保、シーザーの後継ぎシグルトの後見人となることで立場を磐石とします。

シグルトが魔物を排斥し、大陸にゼノビアという大帝国を建国した時、レオンは今までの功績で相当高い地位を得ましたが、この時レオンは寄る年月には勝てず、自分の領土を得ると、新しい領土ポルトガルでその生涯を終えます。

● レオンの人材登用術
ここまで悪辣なことをやっていては中々人が集らないのではと思う人もいるかもしれませんがレオンは人材登用術はかなり上手です。レオンと言えば内政と人材登用術と言うほど、たくいつした手腕を発揮します。
レオンは才能さえあれば、どんな人柄の人物でも登用しますし、惜しみない褒美を与えます。また部下の過去に囚われず信頼を与えるために部下の心を掴むのです。当然中にはレオンを裏切るものも出てきてしまい、レオンが窮地を迎えたことは一度や二度ではありません。しかし、レオンはそれでも部下集めに奔走します。
不思議なことですが、ここまで熱心に打ち込むとどんなならず者でも「レオンの為に死のう」と命を捧げてしまいます。結果、レオンの配下は立派な漢として「化ける」のです。

● 防戦のレオン
さてレオンを語る上で重要なのが、その戦ぶり。
劇中トップクラスの軍略化なのです。というのも周囲の大国の人材に比べてこのレオン率いるフランスの人材は言ってみれば「普通の将軍」です。レオンが勝利を得るためには作戦を用いて戦うしかありません。
レオンの戦績はあまりいいものではありません。勝利と呼べる戦いは究めて少ないのですが、レオンは普通の将軍では手におえないほどの入念な作戦と、直感で戦を戦い抜きます。何より負け戦の被害の少なさがレオンの戦の上手を表します。レオンはその引き際の鮮やかさから、「防戦」のスペシャリストとしても知られます。

●レオンとブリジット
レオンと二人三脚をして国を作ったのが女軍師ブリジットです。ブリジットは博徒で有名な女貴族でしたが、レオンとの賭けに敗れた後は郡市として活躍、今のレオンがあるのは彼女のおかげであるというほどの活躍をします。
レオンとブリジットは親友であり、男女の仲でも親友となりえる証明となりました。

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