グラーフ

グラーフ

大王〜牙なき人々の剣〜

グラーフは中央分国の地方領地にて奴隷同然の生活をしていたところ、当時の世捨て人として浮浪者に身をやつしていた騎士クロムハーツと出会う。
クロムハーツに好意的なグラーフは、持ち前の正義感から危険に首を突っ込み、それをクロムハーツに助けられることで騎士を目指す。
復帰したクロムハーツにより騎士としての手解きを受け、自称「自由騎士」として各地を流離う少年時代を過ごす。

このグラーフの噂を聞き付けたのがオードリュークの騎士。
オードリューク騎士の薦めでグラーフはオードリュークの騎士として士官登用される。(この紹介した騎士の息子のシイベルヘグナーは後のグラーフの幕僚となる)

グラーフはこのオードリュークで後のオードリューク国王・流星王フェルナンドと出会う。
グラーフの少年時代は流星王の下で過ごし、異民族との戦等をこなしていく。

当時の大帝国ディノギノスの皇帝が遠征不在時に国内が荒れると、市民側に立って皇帝と対立する市民軍を国を跨いで組織していくことで追い詰められていくことになるが、この窮地は法王ベルサリウスのすすめで『王位の簒奪者である皇兄を討つ』などの手柄を立てることで恩赦を得る。
しかしグラーフの暴君嫌いは根強く、特に皇帝不在時に即位した息子・新皇帝ロアンに対しては敵対的であった。
それが明確化したのはグラーフが異国に取り残された先帝ゼファーを救援奪還に向かった時である。
ゼファーを救出したグラーフは病もあって死の淵にある皇帝から王冠を預かる。
帰国したグラーフは王冠を受けたとして新皇帝ロアンと対立、反ロアン派の諸侯を味方につける。
これはグラーフの盟友レンブラントの活躍であるところが大きく、当時の大貴族・教会などを掌握。
ついに反乱軍が決起する。
グラーフはここに新王国:神聖アレキサンドリアを建国する。

皇帝ロアンとの戦いは長きに渡り、盟友であり参謀レンブラントを戦で失ったことで政治的な解決能力を失い泥沼の戦いに足を踏み込む。
それはディノギノスの王位が二代に渡り変わっても続き、三代目のレオン王のフランス・ガートランド王国と改名された後も続く。
グラーフの戦は異民族とも行われ、オークの大国とも対決し戦線は拡大していった。

途中王位を譲り、戦から身を引くも、結局は足抜けできないグラーフに対し、不信任とでも言うように反乱が起きる。
民は戦に疲れ、共に戦った騎士達も減り、国内を束ねられなくなったのである。
グラーフは国内の反乱により国を分裂の憂き目に合う。
反グラーフの分裂勢力にはレオン王のフランス・ガートランド王国と手を組み、レオンはついに積年の恨みを張らすべく戦を踏み切る。
これに対し、老王となったグラーフは決戦。
反乱勢力を平定するもその戦で命を落とす。

●性格

単純で直感で考える誠実な男。それがグラーフである。
後に大王と呼ばれる人物ながら、少年時代は何をやっても半人前。
持ち前の正義感で失敗をフォローするという立ち位置だった。
仲間に支えられ仲間ありきの正義感を発揮したグラーフが一人前の力を手にいれたのは皮肉にも仲間を戦で失った後であり、その持ち前の正義感は責任意識となってグラーフを戦にと突き動かした。

●戦

グラーフは戦はお世辞にも上手くなく、作戦などは使用せず正面からの全面対決を度々行っている。
しかし部隊の編成には細心の注意を払い、個別部隊としての完成度は極めて高い。
これはグラーフが将軍としては経験が浅いが一指揮官として部隊長としては有能であることの証である。
グラーフは小規模戦闘では無類の強さを発揮し、それが常に追い詰められた時の底力として彼とアレキサンドリアを支えていた。

⇒考察
グラーフは民衆出身の皇帝として、また欲の無いの『正義の象徴』として、民衆の指示を集める。
その正義感は終生変わることはなく、原動力は常に人々の願いの声であった。
しかし武人であったグラーフの取りうる手段は戦のみであり、多年の戦いに知将参謀を失ったことが国の疲弊をうんでしまった。
ある意味、人々の願いに翻弄された悲劇の国王だが、終生『人々の剣』であろうとしたグラーフは、後の人々に感銘を与えている。

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