アルビレオ

アルビレオ

咲き誇る貴公子

今期の主人公とも言える人物がアルビレオです。
レオン一族の王子の一人ですから、もう血統書付の貴公子です。若い頃は薔薇を片手に「お嬢さん」と口説き文句を並べる不埒な時期にありました(この時期兄弟のセイバーは帝王学を学びつつ配下集めに奔走、フェリカは中央で皇帝とコネを作りながら専門教育を受けていました)。
はじめから後継ぎはフェリカと決めていたものですから、必死になることはありません。そんな性格をよくセイバーに説教される生活をしていましたが、転機を迎えるのはそのセイバーが反乱をおこしてからです。

彼が己の半生を後悔するのはその反乱の時です。
セイバーの反乱は本来はレオン一族の後継ぎを決めるだけの跡取問題なのですが、他国をセイバーが呼び込みやがりましたおかげで、半島を巻き込んだ大戦にと変貌していました。セイバーの対抗馬であり、正当な後継者フェリカを補佐するために参謀として活躍するのがアルビレオです。

アルビレオはセイバーとの対決を幾度となく行いましたが、最終的にアルビレオはセイバーに敗れると下ります。
アルビレオはセイバー重臣の「処刑」の進言に、あわやというところまで追い詰められますが、セイバーはアルビレオを高く評価。温情も会って首を跳ねずむしろ取り立て、手柄を立てさせようとします。
セイバーの尖兵としてアルビレオは今度はかつての仲間たちに刃を向け、諸国を落とすとセイバーに対して信頼を得ていきます。そしてセイバーが信頼から油断をしたとき、反乱を起こしセイバーを失脚。捕えることに成功します。
そう彼は本心から降伏などしていなかったのです。

セイバーの首を打てば事態は一件落着なのですが、アルビレオとしては命を助けられたこともあり、躊躇してしまいます。
そんなおり、セイバーの重臣たちはセイバー奪還のために結束、アルビレオを追い込んでいきます。強引なやり口でセイバーを捕えたアルビレオは、その実いまだ国を掌握していません。むしろピンチは継続中でした。
そして、その動きに屈するとセイバーを解放することでしか乗り切ることができませんでした。

さてアルビレオですが、次にフェリカとの問題が浮上します。
アルビレオは「薔薇の貴公子」を自認しながらも、実はかなりの現実主義者です。フェリカのような理想主義者とは話が合いません。そしてついに政権移譲を迫るとフェリカから王位を譲りうけます。
さて怖いのは隣国の兄セイバーです。そしてアルビレオはセイバーに対して尊敬の念を抱いてすらいます。アルビレオはセイバーとの融和路線に政治方針を大きく変更すると、セイバーと友好関係となります。
当然今までの仲間はそれを良しとは思いません。次々とアルビレオのもとを去っていきます。

そんな中、ついに中央の帝国軍とセイバーの戦が始まってしまいます。
今まではフェリカの威光で中央とは仲良くやっていたアルビレオですが、今はセイバー派です。結果帝国に祖国は滅ぼされ国を奪われてしまいます。

アルビレオが戦火から逃れ渡ったのは中央にいる弟のランスのもとです。ランスは真面目さだけが取り柄というおよそ君主にはむかない人物ですが、アルビレオは彼を頼ることにしました。しかし、兄セイバーの手はそこにもやってきました。
セイバーとは友好的なアルビレオは、そこでランスとの仲立ちに立ちます。しかし、兄セイバーはこともあろうか、従わない弟ランスを殺して国を奪おうとしています。
そしてアルビレオは再びセイバーと敵対、刃を向けて争ってしまいます。
結果戦には破れ、アルビレオはランスとともに再び落ち延びていきます。

うーん。こうやってみるとかなり転落人生だねぇ。


さて、こんなアルビレオですが、実のところ相当惜しい人物です。
戦はうまいのですが、いつも僅差で負けています。負けているといっても、基本的には戦に勝ち、大事な戦は落としてしまうという容量の悪い勝負内容ゆえでしょう。そしてアルビレオを破った相手はやはり大物なのです。

政治的な方向転換も、彼の甘さ故というところがあります。
アルビレオはフェリカを押していましたが、時代はそんなに甘くありません。セイバーのように力でごり押しする必要もあったのですが、アルビレオは煮えきりませんでした。
セイバーを倒すのは反乱を起こした逆賊を打つという大義があったのですが、大義は自国を滅ぼしてまでやるべきものではないと政治転換をしたのもうなづけます。しかし、それが仲間の離反を生んでいきます。これも仕方の無いことです。 そしてセイバーとその後の対立は・・・
まぁ、彼自体が本心では家族融和を提唱していて、それが叶わぬことを自覚したいわば悲しみの慟哭といえるでしょう。 セイバーは権力が欲しくて、それを与えれば仲良くやれたのではないかという願いが、無駄であることが証明されたわけですし、アルビレオはその時セイバーとは共に生きられないと悟ったのでしょう。

ようやくセイバーと対決する覚悟を決めたアルビレオですが、戦力が・・・
この難局を乗り切れるのでしょうか?

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